日向夏さんは小説投稿サイト「小説家になろう」で2011年10月に「薬屋のひとりごと」の連載を開始した。作家を目指していたわけでもないのに、再び筆を執った理由を「暇だったんですよ」と明かす。 「東日本大震災があって、私は関東にいたのですが、あの時は娯楽がなかった時期でした。家でネットを見ていたら、小説家になろうを見つけたんです。学生時代には小説を書いたこともありましたが、その後は書いていませんでした」 ◇初期構想は3人の子持ちの女性 「小説家になろう」には、さまざまなジャンルの小説が投稿されている。中でも人気なのが、異世界転生などのファンタジーだ。当時は異世界転生が特に人気だった。 「ファンタジーは、ほかの人がいっぱい書いているし、書かなくていいかな?と。元々、頭の中にあったのは、鉱山の街にいる3人の子持ちの女性の話でした。毒で死んでいる人を発見するというミステリーなのですが、まずウケないだ