憲法で禁じられている集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈の変更を目指す安倍晋三首相。「最高責任者は私だ」と発言し、政府解釈を支えてきた内閣法制局の見解にとらわれない姿勢を示す。これに対し、「解釈の限界を超えている」と異を唱えるのが元内閣法制局長官である阪田雅裕さんだ。「統治権力がほしいままに憲法を解釈するなら、立憲主義の根幹が揺らぐ」。その先に待つのは、他国の軍隊と何ら変わらない戦争のできる自衛隊と、意味を失った9条だ。 -今こそ憲法の「読み方」が問われています。 「日本国憲法が世界でも例をみない平和憲法といわれるゆえんは9条2項にあります。1項では、戦争の放棄を規定しており、同様のことが書かれている憲法はイタリア、スペインなど10カ国以上ある。一方、2項は戦力の不保持と交戦権の否認を明記している。先進国の憲法でこれを掲げているものはありません。ここが日本の平和主義の特異な部分です」