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1956年生まれ。テレビディレクター、映画監督、作家。ドキュメンタリー映画『A』『A2』で大きな評価を受ける。著書に『東京番外地』など多数。 森達也 リアル共同幻想論 テレビディレクター、映画監督、作家として活躍中の森達也氏による社会派コラム。社会問題から時事テーマまで、独自の視点で鋭く斬る! バックナンバー一覧 新聞労連が主催するシンポジウムで発言した タイトルを勝手につけるな。批判するなら最後まで読め。絶対にまとめるな。 ……『経』の読者にとっては意味不明な書き出しだと思うけれど、タイトルとこの書き出しの意味については、後で説明するつもりでいる。今回はここからが本文。 1カ月ほど前のことになるけれど、新聞労連(日本新聞労働組合連合)が主催するシンポジウムで発言した。このときの様子が毎日新聞福井版に掲載された。以下に記事の全文を引用する。少し長いけれど中略はしない。その理由も後で書く。
昨日(7月19日)のことですが、facebookを通じてある情報が流れてきました。特定の誰かが主張しているというよりは、コピペで拡散しているので、内容をかいつまんで要約すると以下のようになります。 (1) 2012年5月24日、東電は福一事故によるセシウム放出量を見直した結果、チェルノブイリの4倍、広島型原爆4023発分であったと公表した (2) この発表は英語でのみ行われ、日本のメディアでは報道されていない (3) 東電がこの発表を英語でのみ行ったのは日本人に知らせたくないからであり、 (4) それを日本のメディアが報道しないのは東電と政治の圧力がかかっているからだ (5) ようするに東電も日本のメディアも政治も腐っている いまだにこういうデマが流布するというのは嘆かわしい限りです。こういう話を見かけたら、「なんてこと! 許せない!」と義憤にかられて拡散する前に、一次ソースを確認するべき
首相官邸前に大飯原発再稼働に反対する大規模なデモが行なわれました。組織的なデモではなく、ソーシャル・ネットワークの呼びかけで多くの人が集まったために、中東の「ジャスミン革命」に倣い、季節柄「紫陽花(あじさい)革命」と名付けた人もいます。 しかし「革命」とはほど遠く、「運動」としても発展性を感じません。なぜなら、原発再稼働に対する不安感や不信感以上のものが伝わってこないからです。政治に自らの行動で意思を表明しようとしたことはいいことかもしれませんが、紫陽花(あじさい)が長く美しさを保てないように、情緒だけで広がった運動はやがて消えていきます。しかも、政治の世界で「革命」というのなら権力を奪うという話になりますがひとつの政策への賛否であって違和感があります。実際にチュニジアやエジプトでは政権が崩壊しました。 ただ、見るべきこともあったように感じます。ソーシャル・ネットワークが『動員』のパワーを
GEPRで紹介した白井由佳さんの「放射能パニックからの生還」が反響を呼んでいる。彼女の告白を読むと、「脱原発」を唱える人々を動かしているのが何であるかがよくわかる。 情報の入手先は、ネットが中心でした。ツィッターをメインにしてブログやUSTREAM。情報ソースは、暗く悲惨な情報を流していることで有名になっている人ばかり。匿名の人たちから大学の先生、研究者まで色々でした。今になるとおかしな人々を信じてしまったと思いますが、当時は正しいと思っていました。そして「御用学者」とされた正確な情報を発信する人の話が間違っていたと思い込み、話を聞きませんでした。また原発事故まで原発や放射能についての知識はほとんどなく、情報の真偽を確かめられませんでした。 これが典型的な症状である。彼女の情報源は上杉隆や武田邦彦のようなデマゴーグだが、その情報の科学的信頼性を確認しないで、悪いほうの情報を信じて行動すれば
東京電力福島第一原発事故を受け、放射性物質の健康影響などネット上で飛び交う原発や放射能関連の不正確な情報を打ち消すため、経済産業省資源エネルギー庁が正しい情報を発信するホームページ(HP)が、当初予定から約半年経過しても完成していない。同庁は、正しい情報の確認作業が難航しているためとし、完成を三月末に先送りした。
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経済産業省資源エネルギー庁では、冒頭のマンガを用いるような原子力政策の宣伝も行う日本の原発推進機関の中核です。 その資源エネルギー庁が原発に関するメディア情報を監視してきたことを、7月に日本共産党の「しんぶん赤旗」がスクープしたことは以前お伝えしたとおりです。 資源エネルギー庁 新聞記事・ブログ・ツイッター監視 しんぶん赤旗スクープ 読売、日経、産経、朝日無視 本年度発注分を含めると、外部委託費の総額は、下の記事にあるように、4年間に約1億4000万円に上るそうです!(余計なことに金使うな!) しかも、事業は外部委託で行われ、各年度とも異なる財団法人が受注しており、いずれも経産省天下り・電力関係者らが役員を務めているのです。 たとえば、2010年度に同事業を受注した財団法人エネルギー総合工学研究所は、理事長が東京電力元副社長の白土良一氏で、副理事長は元通商産業省環境立地局長の並木徹氏。理事
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東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故を機に、原発をめぐる特定の文書がインターネット上に拡散している。原発の元技術者が危険性を訴えた講演をまとめた文書で、事故後、ブログへの転載が急増した。さながら反原発の“バイブル”と化しているが、原発に詳しい専門家らは「一見して正確性に欠ける。不安をあおっているだけ」と批判、正しい情報の選別を訴えている。 文書のタイトルは「原発がどんなものか知ってほしい」。昭和40~60年代に一級配管技能士として原発で勤務経験があり、各地の原発運転差し止め訴訟にもかかわった故・平井憲夫さん(平成9年死去)が行った講演を市民団体がまとめた。A4版23枚、約2万字にも及ぶ。7年の出版後、少なくとも12年ごろにはネット上に流出したという。 文書は20章から成り、いずれも原発の危険性を誇張した内容が目立つ。事実と異なる情報も多く、《素人が造る原発》という章では「事
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