【北京=加藤隆則】中国浙江省温州の高速鉄道事故で、電気系統を管理する部門が、落雷で信号機が故障した事実を運行ダイヤ部門に伝えなかったなど、人為ミスが重なっていたことが31日、明らかになった。 中国社会科学院系の経済紙「中国経営報」(8月1日付)が複数の鉄道関係者の話として報じた。 運行ソフトの欠陥などに加え、現場の職員の怠慢が事故を招いた可能性が浮上している。 同紙は、信号の故障を過小評価した電気部門からダイヤ部門に報告がなかったため、信号の異常があれば必須の停車措置が取られなかった可能性を指摘した。 鉄道関係者は同紙で、列車の遅延について、関係者の減俸や降格が厳格に定められており、「大量の列車が遅れれば仕事さえ失いかねない」と、故障隠しにつながる土壌を指摘した。