<異様に静かな大学1年生の教室の様子から、デジタルに頼りすぎる世代の深刻な問題に気付いた> 大学での昨年の秋学期、私が受け持った1年生は32人。しかし彼らは、私の知る大学生とはまるで別の生き物だった。みんな、不気味なまでに静かだった。新学期の最初のうちなら珍しくもないことだが、それが年末までずっと続くとは思ってもいなかった。 この年の1年生は、前の学年のZ世代とは明らかに違っていた。話すことが必要ではない世界で生きているかのようだった。グループで取り組む課題を与えても、グループチャットやグーグルドキュメントを利用するのみ。 欲しい情報や商品、食べ物は何でもアマゾンやグーグルで手に入るから、他人とじかに話す経験がほとんどないようだ。 だから授業中に指名して質問をぶつけると、彼らは変に身構えてしまう。しゃべる必要のないデジタル空間で、ずっと生きてきたからだ。 デジタル依存が招く不安や抑鬱に、彼
