「ソバも元気だおっかさん」 ホンダ(本田技研工業)を世界一のオートバイメーカーに押し上げたのが「スーパーカブ」である。昭和33年(1958年)夏に発売されたスーパーカブは、従来のオートバイでもスクーターでもない革新的な商品だった。 ホンダ創業者である本田宗一郎は「スーパーカブはそば屋に向いている」と考えた。「ソバも元気だおっかさん」などのキャッチコピーで売り出したスーパーカブは、それまでオートバイとは無縁だった業種にも浸透していった。 日本のオートバイ生産台数が月4万台だった時代に、スーパーカブだけで月3万台を目指し、見事に成功を収める。その裏には、新たな市場を切り拓くフロンティア精神があった。 「私たちが需要をつくり出したのである。そこに需要があるからつくるのではない」(『本田宗一郎語録』より)
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