レーニンの理論活動では“最後の3年間”が注目される 山口 第5課の「理論史」は、不破さん自身がはじめての試みだといっているところですが、レーニンから始めましょうか。 不破 レーニンは、マルクス、エンゲルスを懸命に読み、それを現実に生かすとともにその現代的発展に貢献した第一人者ですが、理論史的にはなかなか複雑なものがあるのです。 一つは、その理論活動の歴史に、独特の“荒れた時期”―10月革命後、干渉戦争と戦った時期です―があることです。そのあと、1923年3月に再起不能の重病に倒れるまで、私が“最後の3年間”と呼んでいる時期には、その理論的活力を驚くほど多彩に発揮して、国内建設の面でも、対外政策の面でも、国際共産主義運動の指導の面でも、新しい境地を切り開きました。 もう一つは、レーニンは革命論を他の誰よりも重視したのですが、この面でのマルクス、エンゲルスの理論的な遺産をごく部分的にしか受け継