フランスやオランダなど欧州各国で、経済・財政危機への処方箋とされる緊縮政策の矛盾が噴き出しています。庶民増税などの緊縮政策で国民生活が破壊されるなか、緊縮を押し付ける政権が批判を浴び、政治転換が不可避になっています。緊縮路線に代わるべき政策への関心も高まっています。 この流れは、欧州統合のあり方にも影響せざるをえません。「財政均衡」を旗印にして責任を国民に押し付ける路線は、弱肉強食の新自由主義の立場に立つものであり、福祉国家という欧州社会モデルの基盤を掘り崩すものです。 フランスの選択は 仏大統領選は、22日の第1回投票でサルコジ候補が再選をめざす現職の候補者としては初めて、挑戦者オランド候補の後塵(こうじん)を拝しました。現職の苦戦は、国民がサルコジ政権に「ノン」を突きつけたものとみなされています。5月6日に行われる決選投票の行方は、欧州はもとより世界的に注目されています。 最大の争点は