今月に入り、試乗会用の「はやて」が続々と乗り入れる新青森駅。 駅構内の工事も8割ほど進み、12月4日の開業に向けた準備は最終段階に差しかかった。しかし、駅の周辺に青森市が整備した区画はいまだほとんどが売れ残り、閑散としたままだ。「降り立った乗客はきっと、何もなくて驚くに違いない」。誰もが気をもむ中で、青森の新しい玄関口は開業日を迎える。 更地のままの区画を囲むように立ち並んだ住宅街。「周りに何もないから風が吹き付けて冬は厳しいわ」。その一角で暮らす加賀谷キヨさん(79)は、苦笑して辺りを見渡した。 区画整備の予定地に所有していた畑の仮換地として3年前、今の場所に家を構えた。「買い物も楽になるし、にぎやかになる」。期待を膨らませ、40年近く住んだ三内から夫婦で越してきた。「でも、土地はいつまでたっても眠ったきり。これなら山の中に駅を建てたのと一緒じゃないの」。恨み節も漏れる。「初めて来た観光
リニア新幹線 妥当な「直線ルート」での決着(10月21日付・読売社説) JR東海が計画しているリニア中央新幹線が、南アルプス直下を貫通する「直線ルート」で決着する見通しとなった。 国土交通省の審議会が20日、南アルプスを北に迂回(うかい)する「伊那谷ルート」と「木曽谷ルート」に比べ、「直線ルート」は距離が短く建設費が圧縮できるなど、最大の投資効果が見込めるとの試算を公表したためだ。 懸案だったルート選定にメドが付いたことで、今後は、採算性や安全性などの検討に入る。こうした作業を着実に進め、早期開業を目指してほしい。 磁力で浮上し、時速500キロで高速走行するリニアモーターカーを使った中央新幹線は、東海道新幹線を運営するJR東海が構想を進めてきた。 東京―名古屋―大阪の3大都市圏を67分で結ぶ「夢の超特急」で、閉塞(へいそく)感が漂う日本に久しぶりにインパクトを与える巨大プロジェクトと言って
「撮り鉄」さん、マナーは守ってね――。鉄道ファンの撮影を巡り各地で相次ぐトラブルを受け、JR西日本金沢支社は12日に最終運転を迎える寝台特急「北陸」、夜行急行「能登」を撮影するファンの安全確保のため、警備を強化する。12日夜は、当初予定より10人増やし、職員40人をホームに配置して転落事故などの防止にあたり、上野発の最終列車が金沢に到着する13日早朝も30人態勢を敷く。 撮り鉄を巡っては2月、ファンが、お座敷列車の撮影のため線路敷地に入り、列車を止めるトラブルが続発。ここ1か月は、廃止目前の「北陸」「能登」の姿を狙うファンが、ホームなどに目立って増えている。同支社は「警備の人員にも限界がある。撮影規制はしないので、最低限のルールだけは守ってほしい」と呼びかけている。 12日は午後9時40分から金沢駅コンコースで同駅長から運転士に時刻表を手渡すセレモニーがあり、その後、同10時前後に6番ホー
14日午前10時40分頃、大阪府柏原市青谷のJR関西線河内堅上(かわちかたかみ)―三郷(さんごう)駅間で、加茂発天王寺行き快速電車(6両編成、乗客約500人)の運転士が、線路敷地内に4、5人が入り、カメラの三脚を立てているのに気付き、約50メートル手前で電車を止めた。 駆けつけたJR西日本職員が説得を重ね、約30分後に敷地外に出たが、上下19本が運休、同26本が最大39分遅れ、約1万3000人に影響した。 同社によると、年2〜3回しか運行されない団体用のお座敷列車「あすか」(6両編成)が午前11時25分頃に「撮影ポイント」である現場付近を通るため、ファン約50人が集まっていた。 周辺にはフェンスがなく、4、5人は電車が通行する約0・5〜1メートル近くまで侵入。快速電車の運転士が線路から離れるよう求めたのに対し、当初は拒んでいたという。騒ぎで府警柏原署のパトカーも出動した。 同社によると、鉄
JR東海道新幹線の架線が断線して発生した停電で、56本もの新幹線が運休した29日の運行トラブル。 影響を受けた利用者は15万人近くに上り、約3時間後に運行が再開されてからも、各新幹線の車両は、デッキに人が立つほどの満員状態だった。この事態に、国土交通省関東運輸局は29日夜、原因究明と再発防止を求める警告文書を、JR東海取締役の勝治秀行安全対策部長に手渡した。 「大阪にとんぼがえりするしかない」。日帰りで新大阪から東京に向かっていた男性会社員(48)は午後2時前、新横浜駅の手前で新幹線が停車したため、都内で午後3時から予定していた会議に間に合わなかった。東京駅に着いたのは午後5時半頃で、到着早々、帰りの乗車券を買うため長蛇の列に加わった。 約4時間遅れで品川駅に到着した東京都大田区の主婦(30)は0歳の長男を抱えていた。里帰りしていた名古屋から乗った新幹線が三島駅で停車し、車内に缶詰めになっ
車両の入れ替えで、路面電車の運転台に立つ元豊橋鉄道社員・森島留広さん。前方には最新車両「ほっトラム」(愛知県豊橋市で)=加藤学撮影 1962年3月の参院予算委員会。当時、街中の道路は狭く、渋滞を引き起こす「厄介者」とされた路面電車について、今後のあり方を聞かれた斎藤昇・運輸相は開口一番、「順次無くすように指導していく」と答弁し、将来は全廃するとの方針を打ち出した。あれから約半世紀。その厄介者が環境に優しい市民の足として注目を集めている。 JR豊橋駅から約5キロ。豊橋鉄道が運行する路面電車の検査場に、最新の「ほっトラム」が道路を滑るように入ってきた。 「まるで夢を見ているようだ」。週に1度、点検の際にほっトラムの運転台に立つアルバイト・森島留広さん(60)は、同社で45年間、車掌や運転士として勤め、路面電車の浮き沈みの軌跡を見てきた。 同社の路面電車の乗客数は、63年度の約957万人を
レール幅が異なる新幹線と在来線を走るフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の走行試験が24日未明、九州新幹線の川内駅(鹿児島県薩摩川内市)―新水俣駅(熊本県水俣市)間(往復約100キロ)で行われ、目標の最高時速270キロを達成した。 試験車両(3両)は同日午前1時過ぎ、川内駅を出発、走行の安定性をチェックしながら徐々に速度を上げ、午前2時頃に時速270キロに達した。 フリーゲージトレインは車輪の幅を変えることで、新幹線(レール幅約1・4メートル)と在来線(同約1メートル)の両線路に乗り入れることができる。独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が1994年から車両開発を進め、新幹線で最高時速270キロ、在来線で同130キロでの走行を目指している。実用化されれば九州新幹線長崎(西九州)ルートなどへの導入が見込まれる。
首都圏の鉄道の運休や遅れの本数が昨年度、4万600本に達し、その半数以上が自殺に起因することが、国土交通省の調査で明らかになった。 同省は21日、JR東日本や東京メトロなど首都圏の主要12社を集め、自殺防止に有効とされる「青色照明」の検証などを呼びかけた。 調査は、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で、列車の運休や30分以上の遅れにつながった輸送障害のデータを原因別にまとめた。 全国の輸送障害は2008年度、07年度から1000本ほど減ったものの、首都圏だけで見ると4400本も増加。首都圏での原因トップは「自殺」で、07年度から2900本増えて2万1100本に上った。自殺に次いで多かった「信号設備などの故障」によるものは7200本だった。 トラブルそのものの件数は、05年度をピークに徐々に減っており、08年度は前年度より20件少ない679件だった。ただ、自殺の場合、08年度は前年度より19
千葉県の銚子電鉄が愛媛・伊予鉄道から購入した車両4両が銚子港に到着し、陸揚げされた。 大型トレーラーに移され、6日未明には仲ノ町駅車庫と笠上黒生駅引き込み線への搬送作業は完了する見通し。 銚子電鉄保有の5両のうち、2両が戦前の1940年製造、1両が50年製造で老朽化したため、国土交通省から早期更新を指摘されていた。 今回、購入した4車両はいずれも62年製造で、京王電鉄が使用後、伊予鉄道が84年に譲り受けて運行してきた。購入費用は、輸送費や改装、点検整備費などを含めて約1億5000万円という。 銚子電鉄はライトグリーンに塗装し、4両を2両編成の2系統にして来年3月の運行を目指す。
鳥取県大山町は、「デゴイチ」の名で親しまれ、JR大山口駅前に展示していたD51形蒸気機関車を、財政難で維持管理できなくなったとして、無償譲渡することを決めた。 1941年の製造で、山陰線などで活躍した620号機。75年に米子―益田間を、本州最後のSL列車「石州号」として走り、引退。76年、旧大山町が「歴史資料に」と国鉄から無償で借り受け、写生のモデルなどとして、子どもたちに親しまれてきた。 その後、2〜3年ごとに80万〜200万円かけて補修してきたが、今年度もさび落としや塗装に230万円かかることがわかり、断念。担当者は「残念だが先立つものがない。分解されるのはしのびないので、現状保存が譲渡の条件」としている。銘板はJR西日本が展示用に回収する。 問い合わせは、31日までに、同町総合窓口課(0859・53・3311)へ。
JR秋田支社の除雪車「DD14―305号」が老朽化のため、今冬限りで引退することになった。 赤い車体に、二つの目玉のようなライト、雪よけのための羽根がついた姿から鉄道ファンらに「ザリガニ」の愛称で親しまれてきた。 引退する車両は、旧国鉄時代の1965年に製造されて以降、奥羽、北上、五能などのJR各線で冬の鉄路を守り続けてきた。 DD14はかつて全国で40車両以上が活躍していたが、現在は秋田支社や新潟支社などに9車両が残るのみ。出動日には線路沿いにカメラを手にしたファンらが各地から数十人も訪れるという。 待機場所である横手保線技術センターの操縦士、伊藤清和さん(53)は、この14年近く、ザリガニに乗車してきた。 「(ザリガニは)国鉄時代はベテラン職員しか乗れない列車だった」。そう語る伊藤さんが初めて乗車したのは39歳になってから。ほかの除雪車の乗務をくり返し、やっとあこがれの列車に乗車した時
私鉄大手の阪急電鉄(本社・大阪市、社員約1800人)は、子会社に在籍する駅員や乗務員ら約840人を来年10月1日付で本社の直接雇用に切り替える方針を決めた。 駅業務などの分社化でコスト削減を進めてきたが、「安全強化を図り、社員の士気を高めるには、本社による一括雇用が必要と判断した」としている。景気の急変で「派遣切り」などの雇用問題が深刻化している。阪急電鉄がコストアップ覚悟の直接雇用に踏み切ったことは、リストラ優先の他産業の動きに一石を投じることになりそうだ。 阪急電鉄によると、直接雇用に切り替える対象は、駅の業務などを請け負う子会社の「阪急レールウェイサービス(HRS)」所属の約1700人の社員のうち、正社員、契約社員410人、時給制のフルタイム社員230人、学生アルバイトなどの臨時社員200人の計約840人。HRSの正社員は電鉄本社の正社員、契約社員はやはり契約で、というようにHRSで
全面禁煙かそれとも分煙か――。たばこを巡って鉄道各社の対応が分かれている。 首都圏の私鉄はすでに駅構内で全面禁煙を実施中だが、JR東日本も、渋谷駅の山手線ホームなど4駅で喫煙所を撤去するなど段階的な“撤退”を進めている。ドル箱の東海道新幹線を抱えるJR東海は「分煙維持派」で、撤去に慎重な姿勢を示している。「愛煙」と「嫌煙」のはざまで識者の賛否も割れている。 ◆健康増進法契機 JR東日本は10月20日、渋谷駅1、2番ホームにあった喫煙所を撤去した。同1日には、横浜駅の東海道線下りホームでも喫煙所をなくし、横浜線の長津田駅、南武支線の八丁畷(はっちょうなわて)駅ではすべての喫煙所を撤去して構内を全面禁煙にした。 同社は、公共施設での受動喫煙防止対策を定めた健康増進法が2003年に施行されたことなどを契機に、07年に新幹線を含むすべての車両で喫煙席を廃止した。利用客の反応は上々といい、駅の喫煙所
24日午後2時10分頃、埼玉県所沢市の西武池袋線所沢駅のホームで、小手指発池袋行き準急電車(10両編成)に乗ろうとした男性(60)の傘(長さ95センチ)がドアに挟まれ、男性は傘を握ったままホーム約34メートルを電車と並走した。 「止まれ」という駅員の放送で電車は停止した。男性は首をねんざする軽傷。 西武鉄道の発表によると、発車前にホームの駅員が傘の先端から20センチほどがドアに挟まれたことに気づき、ドアを開けるよう合図を送ったが、車掌が誤認し、運転士に発車を指示したという。
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