全国民に12ケタの番号をつけ、個人情報を一元化する共通番号(マイナンバー)制の来年1月からの運用に向け、政府が突っ走っています。個人情報の“万能キー”となる共通番号は、取り扱いが困難をきわめます。社員や取引先の共通番号を管理することになる中小企業では、不安と困惑が広がっています。 (矢野昌弘) 「本当に実施するのか、疑問です。役所ですら、毎年のように情報漏えいがあるのに、全企業に自前で完璧なセキュリティーを課すのは、むちゃなのでは」 ため息まじりに話すのは、都内の医療系の事業所で、共通番号への対応を担当する女性(53)です。 共通番号法は、扶養控除や源泉徴収票、社会保険の届け出などに共通番号の記載を求めています。 そのため企業は、社員やパート・アルバイト従業員だけでなく、その扶養家族、報酬や代金の支払い先の業者などの共通番号を集め、管理しなければなりません。 集めた番号の保管や廃棄について