安倍政権の重要課題である安全保障関連法案の成立を優先し、自民党が一致結束する姿を内外に示したと言えよう。 自民党総裁選で、安倍首相が無投票で再選された。 首相は、「党内が一丸となるべきだという考えが大勢となった。結果を出すことで責任を果たしたい」と強調した。10月上旬に内閣改造と党役員人事を断行し、新たな体制を発足させる意向だ。 首相は国政選に3連勝し、自民党が突出した「1強多弱」体制を築いた。内政・外交で実績も上げた。党内の全7派閥が支持を表明したのは、常識的な判断だ。 長期政権は実現するか 野田聖子前総務会長は、推薦人20人を集められず、出馬を断念した。明確な対立軸を立てず、「開かれた議論の中で我々の多様性を訴える」との主張だけで同調者を広げることには限界があった。 首相が3年の任期を全うできれば、安倍政権は2018年9月まで継続する。長期政権が視野に入ってきたのは事実である。 しかし