福島県浅川町の畜産農家から、放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉牛が出荷され、流通していたことが14日明らかになった。 東電福島第一原発の事故後、農林水産省は畜産農家に屋内保管の飼料などを使うよう指導してきたが、稲わらの出荷については制限しておらず、「盲点だった」と認識の甘さを認めた。購入した餌が汚染されていたという想定外の事態を受け、関係自治体は、牛肉の追跡調査を急いでいる。 同町の畜産農家の男性は14日夜、読売新聞の取材に対し、「こんなことになるとは夢にも思わなかった」と肩を落とした。稲わらは、原発事故後に仕入れたもので、同県南相馬市の汚染牛の問題を受けて不安になり、自ら県の調査を求めたという。男性は「ことの重大性を考えると忸怩(じくじ)たる思いでいっぱいだ。世の中を騒がせてしまって申し訳ない」と語った。 汚染された稲わらをこの農家に出荷したのは、同県白河市内の稲作農家7戸でつくる同業