北陸新幹線の建設が予定されている中池見湿地内の谷間。周囲はホタルの生息地になっている=福井県敦賀市で2012年11月7日、比嘉洋撮影 ラムサール条約に登録された中池見(なかいけみ)湿地(福井県敦賀市)を通過する北陸新幹線の建設ルート上に、国内最大級のヘイケボタルの生息地があることが9日、環境省の調査で分かった。建設や列車運行による生態系の破壊が懸念される。政府の工事認可の前提となった環境影響評価(環境アセスメント)が行われた後、民家などを避けるために現ルートに変更されたことが原因だ。専門家は「アセス制度の抜け穴を突かれた形だ」と指摘している。【比嘉洋、藤野基文】 ◇アセス後、ルート変更 調査によると、ルート周辺のヘイケボタルは10〜11年に年平均で1590匹確認され、全国36調査地点で最も多かった。ホタル研究家の大場信義氏は「西日本ではかなり数を減らしているので極めて貴重な場所だ」と分析す
高音質のデジタル音源「ハイレゾ」。利用者と提供される楽曲数がともに急増し、注目を集めている。 ハイレゾは「ハイ・レゾリューション(高解像度)」の略。オーディオ音楽評論家の麻倉怜士さんは「奥行き、立体感、臨場感がすごい。まるでそこで聴いているようなライブ感が魅力。ハイレゾを聴けばほかの音源には戻れない」と、その高い音質を評価する。 デジタルは、生の音のアナログ音の波形を0と1の信号で表し、CDや伝送路に乗せ、ユーザーの手元に届ける。その0と1の信号は、機器を通して元のアナログ波形に戻され、音楽として聴ける。 CDは、演奏を信号化する時に、人の耳では聴き取れない帯域にある高・低音や小さな音を省く。音の幅を制限することで音質は維持しながら、CDに収まるサイズに圧縮するためだ。だが、音情報の省略は微妙な影響を再生音に及ぼし、熱心な音楽ファンからは、アナログ波長をそのまま焼き付けているLP盤より音質
橋下徹大阪市長の出自に関する週刊朝日の連載を巡り、同誌を発行する朝日新聞出版と社名が類似する「朝日出版社」(本社・東京都千代田区)が困惑している。橋下市長が自らのツイッターで計5回、誤って同社の名を挙げて批判。同社は24日、ツイッターで橋下市長に訂正を求めた。 朝日出版社は62年設立で、英語教材や写真集などを手がける。朝日新聞と無関係で、社名は創業者の出身校「岡山県立岡山朝日高校」にちなむ。 橋下市長は19日、ツイッターで「朝日出版社や週刊朝日は、今回の記事の問題性など全く認識していないどうしようもない集団」などと、3回にわたって記載。ツイッター上で第三者から誤りを指摘されて「了解です」と書き込んだが、22日に再び「週刊朝日や朝日出版社のえげつない体質」と2回間違えた。 電話やメールで「もう購読しない」などとする抗議を約40件受けた朝日出版社は24日、橋下市長のツイッターに訂正を求めた。【
全国の国道と都道府県道で通学路に指定されている4万4152キロのうち30%、1万3103キロは昨年3月末時点で歩道が全く整備されていないことが国土交通省の調査で分かった。規定未満の狭い歩道を設置したり路側帯をカラー舗装したりするだけの「簡易整備」も5370キロと12%に上り、未整備と合わせると安全対策が不十分な通学路は4割超。4月に京都府亀岡市で集団登校中の児童ら10人が死傷した府道も簡易整備だった。 この通学路は「交通安全施設等整備事業の推進に関する法律」(交安法)に基づき国家公安委員会と国交相が指定。児童らが1日40人以上通るか、学校の出入り口から約1キロ以内にある道路とされる。 このうち歩道(道路構造令で幅2メートル以上と規定)を整備しているのは、国管理の国道では80%に上るが、都府県管理の国道で62%、都道府県道では53%に過ぎず、全体では58%にとどまっていた。 また、2メートル
東日本大震災の復興予算の多くが被災地以外に支出されていた問題の波紋が広がっている。野党側は事態解明に向け衆院決算行政監視委員会の小委員会で審議を求めたが、民主党が欠席したため流会となった。 復興目的とは言い難い事業への財源の事実上の流用が判明したうえ、対応すら後手に回るようでは恥の上塗りである。野田佳彦首相はこの問題に対する認識が甘すぎる。復興予算の抜本見直しなど早急な事態収拾を政府に改めて求めたい。 かつて「消えた年金」問題などで追及の先頭に立っていた党の姿がまるで遠い昔のようだ。税金の使い道に疑問が出ているにもかかわらず民主党は閉会中の国会での審議に応じようとしない。裏返せば、この問題の追及を警戒し始めた表れだろう。 復興財源を用いることに首をひねらざるを得ない支出はなお、次々と判明している。官庁施設の耐震改修関連には合計120億円が支出されていたという。「復興予算なのだから被災地の庁
ネット上で犯罪予告を書き込んだとして逮捕された大阪府と三重県の男性2人は誤認逮捕だった可能性が濃厚だ。 パソコン(PC)が新種ウイルスに感染し、乗っ取った第三者が遠隔操作していた疑いが強い。 大阪のケースでは、海外のサーバーを経由して遠隔操作されており、犯罪予告の書き込み後に、ウイルスファイルやアクセス履歴がPCから消去されていた。三重県警の捜査でファイル名が分かり、その情報をもとに大阪府警が解析し直して感染の痕跡が確認されたという。 2人は逮捕当時から「全く身に覚えがない」と容疑を完全に否認していた。2人とも釈放されたが、大阪の男性は起訴までされた。誤認逮捕・起訴だとすれば、捜査のどこに問題があったのか。警察や検察は反省し、経緯を検証すべきだ。 所有者が知らないうちにPCを遠隔操作させるウイルスは世界で1日に十数万種類も生まれ、対策ソフトで排除できるのは一部とされる。 警察庁の片桐裕長官
日本人研究者の森口尚史氏が人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床応用を実施したと読売新聞が11日付朝刊で報じた。これに対して、森口氏が客員講師を務めた米ハーバード大と、患者への治療を実施したとされる米マサチューセッツ総合病院は同日、「森口氏の一切の臨床試験は、我々が承認したものではない」との声明を発表した。 森口氏は、米ニューヨークで10日から開かれていた国際会議で、iPS細胞から心筋の細胞を作り、重症の心不全患者に細胞を移植する治療を実施したとポスターで展示した。この治療は、ハーバード大の倫理委員会の「暫定承認」を受けたと説明。読売新聞が、この発表内容を報じたことに対して、国内外の研究者から疑問の声が上がった。 森口氏は11日、研究内容をまとめたポスター展示の場で、詳細を報告する予定にしていたが、主催する米財団によると、予定の時間に森口氏は現れなかった。その後、主催者は会場か
サッカー・Jリーグを主な対象とするスポーツ振興くじ(toto)の制度を改正して売り上げを増やそうとする動きがある。約1300億円の巨費が見込まれる東京・国立競技場の改築費用を確保するのが狙いで、超党派の国会議員によるスポーツ議員連盟のプロジェクトチームが法改正の準備を進めている。秋の臨時国会に議員立法として提出し、2014年からの実施を目指す。 通年販売化と当選金額の引き上げが柱だ。現在はJリーグが開催される3〜12月に販売されていて1〜2月は空白期間。対象を海外のプロサッカーリーグやワールドカップ(W杯)などに広げることで1年を通して販売が可能になる。また、現在100万倍の倍率を宝くじと同じ250万倍にして、繰越金がある場合に最高6億円となっている当選金の上限を7億5000万円とする。 国立競技場は19年の日本開催が決まっているラグビーW杯と、東京が翌年の招致を目指している夏季オリンピッ
山中伸弥・京大教授のノーベル医学生理学賞の受賞が決まった。いつかは必ずと思われてきたとはいえ、「日本発」のブレークスルーに揺るぎない評価が与えられた意義は大きい。特に山中さんの成果は現在進行形のホットな分野である。日本の現在のバイオ力を世界に示すものとして喜びを分かち合いたい。 私たちの体はどんな細胞にもなれる「万能性」をそなえた1個の受精卵から出発する。いったん神経や筋肉、骨など役割を持つ体細胞になると元には戻れない。それが生物のことわりだと考えられてきた。 この常識をカエルの核移植による「細胞初期化」で覆したのが共同受賞者のガードン博士だ。この技術はクローン動物の作出にもつながった。ただし、核移植には卵子が欠かせない。別の万能細胞として注目されてきた胚性幹細胞も受精卵を壊して作るという倫理問題をはらむ。 山中さんはこれらのハードルを「遺伝子導入」で乗り越え、人工多能性幹細胞(iPS細胞
警察の不祥事が相次いでいる。警察庁によると、全国で今年上半期(1〜6月)に逮捕された警察職員は51人に上り、このまま増え続けると、統計のある02年の75人を超えて過去最多となる可能性も出てきた。懲戒処分者も増加傾向にあり、警察庁は「『警察改革』(00年)当時の危機感が薄れつつある」として、再発防止を柱とする12項目の施策に取り組むよう全国の警察に指示した。 各地の警察では下半期に入った7月以降も、車検証の個人情報を調査会社に漏らしたとする地方公務員法違反容疑=長野県警・7月20日▽暴力団関係者に便宜を図った見返りに賄賂を受け取った収賄容疑=福岡県警・7月25日▽海水浴場で酒を飲ませた10代後半の少女に性的暴行したとする準強姦(ごうかん)容疑=大阪府警・8月1日−−など、警察官の逮捕案件が続発している。
雨が降る中、首相官邸前で大飯原発の稼働停止を訴える人たち=東京都千代田区で2012年7月6日午後8時3分、竹内幹撮影 毎週金曜日夕方に、東京・永田町の首相官邸前で行われる原発再稼働への抗議行動に対し、各政党に危機感が高まりつつある。自発的に集まる人々がほとんどで、政党側には意思疎通のパイプがない。矛先が既成政党全体に向かうきざしもあり、「なめたらえらいことになる」(自民党幹部)という声も出ている。 自民党の谷垣禎一総裁は、26日の記者会見で抗議行動について「不安を表現する道を探している人がたくさんいる。その不安感の根底にあるのは何か。そういう不安を払拭(ふっしょく)するのは、どういう立場にあっても政治の大事な仕事だ」と厳しい表情で語った。 政府が原発の再稼働を進める方針は揺るがず、自民党も再稼働の必要性を認める立場だ。電力総連出身の民主党参院議員は「原発を止めれば料金も上がる。好き嫌いで語
東京都の石原慎太郎知事は25日の定例記者会見で、20年夏季五輪招致に対する国内支持率が国際オリンピック委員会(IOC)の調査で47%と低かったことについて「一体、日本人は何を望んで、何を実現したら胸がときめくのか。ちまちました自分の我欲の充実で、非常にやせた民族になった」と不満を示した。 IOC調査では、東京と争う他の立候補地の支持率はマドリード(スペイン)が78%、イスタンブール(トルコ)が73%で、大きく引き離された。前回16年招致の敗因も支持率の低さが一因で、支持率のアップが、来年9月の開催都市決定までの課題。石原知事は「人の心ってまちまちだから。他に比べて低いんだったら上げる努力をするだけ」と語った。【佐々木洋】
需給緩和量を確実には見込めない対策として、契約電力500キロワット以上の大口需要家から節電分の電力を関電が買い取る「ネガワット入札」による需要抑制▽東京電力、中部電力、中国電力、北陸電力の4電力会社からの追加融通162万キロワット▽卸電力取引所を通じた調達9万〜18万キロワット▽好天による太陽光の出力増8万キロワット▽水量増加による水力発電の出力増22万キロワットなども盛り込んだ。これらを合計すると、供給力不足が約300万キロワット改善する計算になるが、関電の岩根茂樹副社長は「単純に計算できるものではない」としており、実現のハードルが高い。 ◇「通報制度」など大阪府市独自策 一方、大阪府市エネルギー戦略会議は15日、独自の節電策を提示した。照明が明るすぎるオフィスや店舗を住民が見つけて通報し、中小事業者に節電を促す「節電通報窓口」の設置や、真夏の午後に役所を閉めて節電するなど、家庭や事業者
日本が提唱した「模倣品・海賊版拡散防止条約」(ACTA)を巡り、失業問題など社会的不満を抱えた東欧の若者を中心に、反対運動が急速に拡大している。反対運動の発信地ポーランドでは17日、トゥスク首相自らが条約への反対を明言した。チェコやラトビア、スロベニアなども批准手続きを止める事態に発展している。【ワルシャワで樋口直樹】 ACTAの特徴は、偽ブランドなど従来の模倣・海賊版商品の拡散防止に加え、デジタル知的財産権の保護を強く打ち出した点だ。締約国には、有料サイトの制限を解除するソフトや、不正なゲームソフトを稼働させる機器、有料放送のスクランブルを解除できるチューナーの取引の違法化が求められる。 さらに、締約国はネット接続業者に対し、著作権の侵害行為が疑われるネット加入者の情報を、著作権者へ開示するよう求めることができる。 ポーランドでは先月26日の欧州連合(EU)の署名と前後して、大規模な反A
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