またか、である。 茨城県東海村にある加速器実験施設「J-PARC」で放射性物質の漏洩(ろうえい)事故があり、少なくとも30人が被曝(ひばく)していたことが確認された。 J-PARCは、日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構が共同運営する。 原子力機構は、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の点検漏れで安全管理意識が欠如した組織の体質が厳しく問われ、理事長が辞任したばかりだ。放射性物質を扱っていながら、その自覚が欠如していると言うしかない。 今回の事故は、光速近くまで加速した陽子を金に照射し、発生する素粒子を調べる実験で起きた。陽子を制御する機器の誤作動で通常の400倍の陽子ビームが生じ、想定を超える放射性物質が放出されたらしい。 被曝線量は1・7~0・1ミリシーベルトで、CTスキャンを受けた場合の放射線量(約7ミリシーベルト)よりも低いレベルではある。問題は事故の軽重では