当時、私が所属していたとある医療団体がビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団から資金調達することになったときのことだ。 「増田氏と支給連絡が取りたし。」との文面で始まるメールが唐突に届いた。 内容は資金調達に関しての話し合いのためビル・ゲイツと面談をして欲しい。 支給連絡を乞う、というような内容だった。 ビル・ゲイツと直接会って話をする? 本当に? という戸惑いと誰かのいたずらじゃないのか? という疑問に挟まれながら返事を出したが、これは本当のことだった。 指定された日、指定された時間に、某所を訪れると大きな会議室のような部屋に通された。 壁一面にびっしりと本が詰め込まれているのが印象的で、 一瞬、ピカピカに磨かれた鏡のような机のうえで肘をついているゲイツに 「これ全部読んだんですか?」 と聞きそうになったがもちろんそんなことは言わなかった。 逆にゲイツから意外な質問を冒頭に受けた。 資金調達