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微小生物クマムシに「タトゥーを彫り込む」という驚きの新技術が開発されました。 中国・西湖大学(Westlake University)の研究チームが開発した「アイス・リソグラフィー(Ice Lithography)」は、これまで不可能とされていた「生きたまま生物への微細加工を可能にする」新しい手法です。 しかしこのタトゥー技術は小さな生物になら何でも可能なわけではなく、クマムシでなければ耐えられない過酷なものでした。 研究の詳細は2025年3月31日付で科学雑誌『Nano Letters』に掲載されています。 目次 銃弾に入れられて発射されても死なないクマムシクマムシにタトゥーを刻む「氷の彫刻法」とは? 銃弾に入れられて発射されても死なないクマムシ あらゆる過酷な環境に耐えられることで有名な最強生物、クマムシ。 クマムシは、体長およそ0.1〜1.2ミリメートルほどの微小生物で、8本の脚とず
西アフリカの熱帯雨林で、世界初となる光景が目撃されました。 英エクセター大学(University of Exeter)の報告によると、チンパンジーが自然発酵してアルコールを含んだ果実を仲間と集まって共食する様子が撮影されたのです。 発酵食は計10回にわたり撮影され、常に仲間たちと分け合って食べていました。 チンパンジーは毎回食料を仲間と分け合って食べるわけではありません。 そのため、研究チームは「アルコールを含む食料は仲間と一緒に食べる」という特別なルールが霊長類の祖先の頃から存在し、これが現代人の「宴会文化」の発達にもつながっている可能性があると指摘しています。 研究の詳細は2025年4月21日付で科学雑誌『Current Biology』に掲載されました。 Wild chimps filmed sharing ‘boozy’ fruit https://news.exeter.ac.
ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。 走る量子ビットで計算すると何が起こるか?まず本文に入る前に、今回の研究は「時間の遅れを使って計算する」「量子場を使って通信する」「重力を計算資源にする」などSFまがいの難解な概念が出てくるため、全体を超ザックリ解説します。 <ザックリ解説> アインシュタインの相対性理論によると、光に近い速さで移動すると時間の進み方が遅くなります。 この研究ではその仕組みを利用し、量子コンピューターを動かすという驚きのアイデアが提案されています。 従来はレーザーや回路で量子ビット(量子版の情報の最小単位)を操作していましたが、な
AIが考え人間が実験する流れが本格化してきたAIが考え人間が実験する流れが本格化してきた / Credit:clip studio . 川勝康弘私たちが住む宇宙では、ブラックホールが衝突したり超新星が爆発したりするような、途方もなく大きなエネルギーが関わる出来事が時々起こっています。 これらの“極端な天体現象”が発生すると、時空そのものがさざ波のように揺れ動く「重力波」が生じるのです。 アインシュタインがこの重力波を理論的に予言したのは1916年。 しかし、実際に人類がこれを観測装置で直接とらえることに成功したのは、その約100年後の2015年になってからでした。 重力波の発見によって、私たちは光(電磁波)やニュートリノとは違う全く新しい角度から宇宙をのぞく手段を手に入れ、これまで見えなかった天体現象や物理現象を調べられるようになったのです。 しかし、この重力波観測は言うまでもなく非常に困
思い出したくもないのに勝手に頭をよぎる嫌な記憶、誰にでもありますよね。 そうしたトラウマ記憶は、あの有名なゲームをすることで思い出しにくくなることが明らかになりました。 スウェーデン・ウプサラ大学(Uppsala University)は、コロナパンデミック中にトラウマにさらされた医療従事者を対象に、実験を実施。 その結果、1回20分間のテトリスを5週間続けると、トラウマ記憶を思い出す回数が大幅に減ることが示されたのです。 研究の詳細は2024年9月19日付で医学雑誌『BMC Medicine』に掲載されています。 A 20-minute game of Tetris reduced traumatic memories in pandemic frontline workers https://www.psypost.org/a-20-minute-game-of-tetris-redu
いじめは学校や職場などで深刻な社会問題ですが、生物学的に見るとこの行動にはどんな起源や理由があるのでしょうか。 人間同士でなぜ傷つけ合うような行為が生まれてしまうのか、不思議に思う人もいるでしょう。 実は、いじめは人間だけに見られる特異な行動ではなく、多くの動物社会にも類似の行動が存在します。 本稿では、進化生物学や進化心理学の観点から、人間のいじめ行動がどのように生まれ、なぜ続いてきたのかを探ってみます。 また、ゲーム理論を用いて集団内での排除行動が個人や集団にもたらすメリットについて直感的に解説し、過去に適応的だったかもしれないいじめ行動が現代社会ではどのようなミスマッチ(不一致)を起こしているのかについて考察します。
残業を片づけ、駅ナカで夕食をテイクアウトしながら帰路につく――そんな日常を繰り返すうちに「今日は自分のために使えた時間がいったい何分あっただろう」と立ち止まった経験はありませんか。 横浜市立大学(YCU)で行われた研究によって、この“モヤモヤ”をたった6つの質問で数値化できる日本語版「主観的時間貧困尺度」が開発されました。 仕事・家事・育児に追われる私たちの「時間が足りない!」という感覚を点数化したところ、そのスコアは睡眠不足や幸福感の低下、社会的孤立、さらには仕事満足度の低下と驚くほど正確に連動していたのです。 忙しさは、気づかぬうちに「見えない貧困」へと姿を変え、私たちの心身をむしばんでいるのかもしれません。 あなたの“時間残高”はいま黒字でしょうか、それとも深い赤字でしょうか? 研究内容の詳細は『PLOS ONE』にて発表されました。
サイコパス=犯罪者? そこに穴が開いたサイコパス=犯罪者? そこに穴が開いた / Credit:Canva私たちのパーソナリティは、車でいえばアクセルとブレーキが共存する複雑なマシンです。 サイコパス特性はその中でも、とびきり強いアクセル――「他人の痛みを感じにくい冷酷さ」や「自分の欲を最優先する自己中心性」――を指す言葉です。 一度アクセルがベタ踏みになれば、赤信号を突き破ってでも目標へ突進してしまう危うさがあります。 ところが実社会を見渡すと、同じような“高出力エンジン”を積みながら、法を破らず静かにキャリアを築く人もいれば、違法行為に手を染める人もいます。 この落差はどこから生まれるのでしょうか。 近年、心理学者の間で注目を集めているのが「モデレーテッド・エクスプレッション・モデル」です。 イメージとしては、車体のサスペンションや道路状況が走りやすさを左右するように、経済力・親の関わ
織田信長の傍らに立つ“黒人サムライ”弥助――そのエキゾチックなヒーロー像は書籍やゲーム、Netflixアニメまで飛び火し、いまや世界中に浸透しています。 ところが、韓国の水原大学(UoS)で行われた研究がこの定説に待ったをかけました。 決定的根拠とみなされてきた江戸期写本〈尊経閣本〉にある「名前・扶持・脇差授与」といった“サムライ要素”は、後世の上書きである可能性が高いというのです。 一次資料に残る弥助の姿は、名も階級も不明の「黒坊主」だけ――それだけでした。 それなら、私たちが信じてきた“黒人武士”像はいったいどこで、なぜ生まれたのでしょうか。 研究内容の詳細は『Journal of International Education』にて発表されました。 Manuscript Discrepancies and Historical Ambiguities: A Textual Study
「ある人にいわれた言葉が忘れられない」 そうした経験が誰しも一度はあるのではないでしょうか。 もしかしたら、それは言葉の内容よりも、その人の「声」に秘密があるのかもしれません。 米シカゴ大学(University of Chicago)の研究チームはこのほど、他人の記憶に強く残りやすい声質があることを発見しました。 それはどんな特徴を持つ声だったのでしょうか? 研究の詳細は2025年2月26日付で科学雑誌『Nature Human Behaviour』に掲載されています。 Study shows that some voices are more memorable than others, irrespective of who is listening to them https://medicalxpress.com/news/2025-03-voices-irrespective.
電磁気は「時空のそのもののシワ」だった電磁気は「時空のそのもののシワ」だった / Credit:Canva電磁気は空間のシワに過ぎないのか? 謎を解明すべく研究者たちはコンピューターの中に“宇宙サイズのシーツ”を敷き、そのシーツが自分でシワをできるだけ減らそうともがく様子を観察することにしました。 最初の手順ではシーツの四隅をほんの少しだけピンと張ります。 ここで言う「張る力」は、重い星やエネルギーが周囲の時空を引っぱる働きに相当します。 ところが現実のシーツと同じように、どんなに丁寧に伸ばしても完全にはシワが消えません。 布目が密集した部分と緩んだ部分がまだら模様で残り、それぞれが場所によって引っぱり具合を微妙に変えています。 次に研究チームは、その残った折れ目を「磁石がN極とS極を作るときの輪郭線」「風船に静電気を帯びさせたときのモジャモジャした電気の線」に置き換えて色分けしてみました
アインシュタインが残した最大の宿題――重力と電磁気という“二大法則”を一本の数式で説明しようとする挑戦に、ついに決定打になり得る理論が発表されました。 フィンランドと豪州の研究者チームが発表した新理論は、電場や磁場を「時空の外付けシステム」ではなく「宇宙布に浮かぶシワそのもの」と見立て、余剰次元も謎の力も持ち込まずに両者を統合します。 ベッドシーツをピンと張ればシワが消えるように、時空のメッシュが最小エネルギー状態を探すと、そこに自然と電磁場の法則が立ち上がるのです。 この理論が正しければ、ブラックホールの縁や量子の揺らぎまで同じ物差しで測れる日が来るかもしれません。 果たして物理学の教科書は今、書き換えの瞬間を迎えようとしているのでしょうか。 研究内容の詳細は『Journal of Physics: Conference Series』にて発表されました。
100年前、天文学者エドウィン・ハッブルは、私たちの宇宙が静止しているのではなく「膨張している」ことを発見しました。 遠くの銀河ほど私たちから速く遠ざかっていることが観測されたのです。 これは、宇宙全体が風船のように膨らんでいることを意味し、現代宇宙論の基礎となっています。 この宇宙の膨張を示すもう1つの痕跡が、「宇宙マイクロ波背景放射(Cosmic Microwave Background:CMB)」です。 これは約138億年前のビッグバンの残響とも言えるもので、宇宙のあらゆる方向から観測されます。ビッグバンの直後に放たれた高エネルギーの光が、宇宙の膨張とともに波長を引き伸ばされ、現在では微弱なマイクロ波となって宇宙全体に広がっているのです。 ところが、この膨張速度を測る方法によって得られる値が一致しないという、深刻な問題が存在します。 この観測値のズレは「ハッブル・テンション(Hubb
今、世界の超富裕層らが、ティラノサウルス・レックスの化石を高額で買い漁っており、それが科学研究の現場に深刻な影響を与えていることがわかりました。 この事実を明らかにしたのは、米カーセッジ大学(Carthage College)の古生物学者であるトーマス・D・カー(Thomas D. Carr)氏です。 カー氏はT.レックスの発育過程を研究する第一人者であり、今回、化石の市場流通が学術研究に与える影響を初めて体系的に調査しました。 研究の詳細は2025年4月10日付で科学雑誌『Palaeontologia Electronica』に掲載されています。 ‘Dispiriting and exasperating’: The world’s super rich are buying up T. rex fossils and it’s hampering research https://ww
かつて、いまのような果てしない砂漠ではなく、緑の草原と豊富な水に恵まれていたサハラ地方。 そこで見つかった約7,000年前の人骨を解析してみると、私たちがよく語る“出アフリカ(おおよそ5万~7万年前・研究によって諸説あり)”の物語には収まりきらない、新たな人類の姿が浮かび上がったのです。 ドイツのマックスプランク研究所(MPI)で行われた研究によって、サブサハラ系ともヨーロッパ系とも異なる“独自のDNA”を受け継ぎながら、すでに牧畜を行っていたかもしれない人々が存在していることが示されました。 いったい彼らは誰で、どのように過去とつながり、そしてどんな道をたどってきたのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年4月2日に『Nature』にて発表されました。
「自分だけ周囲と価値観が違う」とか、「この社会に自分の居場所はないのかもしれない」と感じたことがあるかもしれません。 そのような疎外感を抱いていても、不思議なことに、心身ともに安定し、満たされている人たちが存在します。 では、苦しむ人と幸福な人の違いはどこにあるのでしょうか。 そのヒントは、動物とのかかわり方にあるかもしれません。 麻布大学の研究チームは、ペットとの関係が社会的疎外感と幸福度(ウェルビーイング)に与える影響を調査しました。 研究成果は2025年4月11日、『Frontiers in Psychology』誌で発表されました。
私たちが夜空を見上げるとき、そこで繰り広げられる物語は多彩です。 星々が一生を終えて爆発する「超新星」や、恒星同士の衝突・合体を示唆する「赤色新星」など、天文学の世界には壮大なドラマが数えきれないほどあります。 ところが今、これまでで最も直接的に捉えられたかもしれない、新たなショッキングな幕が開いた可能性があります。 アメリカ国立科学財団(NSF)で行われた研究により、惑星がまるで自ら飛び込むかのように恒星へ向かい落下する――「惑星の自殺」とでも呼ばれる現象が報告されたのです。 近年の観測技術の飛躍的進歩により、私たちはこれまで想像もできなかったような宇宙の瞬間を捉えられるようになりました。 惑星という存在は、恒星の寿命が尽きる(赤色巨星化する)まで元気に公転を続けるイメージが強いかもしれません。 けれども、この新しい観測結果は必ずしもそうとは限らない、より過激なシナリオを示唆しています。
昨今はテクノロジーの発達とインターネットの普及により、ポルノ動画へのアクセスがかつてないほど簡単になりました。 スマートフォンひとつで、誰でも瞬時に数千本もの動画に無料でたどり着くことができます。 その一方で「つい見すぎてしまう」「やめたいのにやめられない」といった“ポルノ中毒”のような症状を訴える人も増えています。 そして近年の研究では、こうした過剰なポルノ視聴が脳そのものに「ある異常」をもたらしていることが明らかになっているのです。 ポルノ動画を見すぎると、一体何が起きてしまうのでしょうか? Pornography may be commonplace, but a growing body of research shows it causes lasting harm to the brain and relationships https://theconversation.co
イルカは地球上で最も知能の高い動物の一種です。 彼らは多彩な鳴き声を駆使して、仲間たちと複雑なコミュニケーションを取り合っています。 では、もしそんなイルカたちと“会話”できるようになったとしたらどうでしょう? そんな夢のような研究が今、現実に近づいています。 このたび、米Google社を中心とする研究チームは、イルカの鳴き声を理解して、即座に意味のある返答ができるAIモデル「DolphinGemma(ドルフィン・ジェマ)」を開発したと発表しました。 このAIは一体どのように動作するのでしょうか? Google made an AI model to talk to dolphins https://www.popsci.com/technology/dolphin-talking-google-ai/ DolphinGemma: How Google AI is helping deco
地面すれすれに咲く小さな雑草、シロイヌナズナ。 ぱっと見は何の変哲もないその植物が、「世界で最も研究されている植物」と言われていることをご存じでしょうか。 実は、遺伝子解析から宇宙ステーションでの実験まで、その短いライフサイクルと扱いやすさを武器に、驚くほど多くの研究に貢献してきました。 名古屋大学生命工学研究センターで行われた研究により、そのシロイヌナズナで今回、新たに「種子サイズを左右するゲート」が発見されたのです。 果たしてこの仕組みは、私たちの食卓を支える作物にも大きなインパクトを与えるのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年4月7日に『Current Biology』にて発表されました。
「自分は政治に詳しい」と自信たっぷりにSNSの討論へ飛び込む人ほど、実はその場を険悪にし、感情的な対立を深める要因になるかもしれません。 中国の蘇州大学(SUDA)で行われた研究により、政治知識を過大評価する“誤った確信”がオンライン上の議論を過熱させ、互いの溝をさらに広げることが明らかにされました。 こうした「自分の思い込み」を軸にした過信や誤認は、私たちの暮らしや議論にどんな影響を与えているのでしょうか? 研究内容の詳細は『Communication Research』にて発表されました。 How Political Overconfidence Fuels Affective Polarization in Cross-cutting Discussions https://doi.org/10.1177/00936502241301174
日本が最も多い言葉は?たとえば「馬(horse)」という概念では、フランス語、ドイツ語、カザフ語、モンゴル語が上位に入りました。 モンゴル語の「аргамаг」は「優れた競走馬・乗馬用の馬」を意味し、「чөдөрлөх」は「馬をつなぐ(足かせをかける)」という意味です。 それから他にも、「愛」に関する語多いのはヒンディー語であり、日本語では「義務」や「責任」に関連する語が世界で最も多いことが明らかになりました。 これは責任感の強い日本の民族性が言葉に反映されていることを物語っています。 Credit: canva このように、「雪」に関してスコアが高かった言語はすべて雪の多い地域で話されていたり、「馬」に関してスコアが高かった言語は馬を日常的によく扱う地域で話されていましたが、一方で「雨」に関してスコアが高かった言語は、必ずしも世界でもっとも雨の多い地域に限定されていませんでした。 たとえ
太陽のような恒星を丸ごと覆い、そのエネルギーを余さず活用するという壮大な構想「ダイソン球」。 SF作品でもしばしば取り上げられ、未来文明の究極兵器やエネルギー源の象徴として描かれてきました。 しかし、理論的には「中心からわずかにずれるだけで構造全体が崩壊しかねない」とされ、長らく実現は不可能だと思われてきたのです。 ところがイギリスのグラスゴー大学(UofG)で行われた研究により、ダイソン球を安定化させる理論的枠組みが提示されました。 はたして、私たちが夢見るこの“恒星スケール”のメガストラクチャーは、本当に安定して存在しうるのでしょうか? 研究内容の詳細は『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』にて発表されました。
コーヒーやお茶に含まれるカフェインが、「眠気覚まし」だけでなく脳の働きを高める可能性がある――という話を耳にしたことはありませんか。 米企業ING2社で行われた研究により、このカフェインが体内で分解される過程で生まれる「1-MX」という物質こそが、記憶力アップや脳の健康に深く関わっているとする最新の研究が発表されました。 カフェインの主役が交代するような驚きの発見であり、科学者たちはこの1-MXの潜在的な脳活性効果に大きな期待を寄せています。 私たちが普段何気なく飲む一杯のコーヒーや紅茶の中に、実はこんな秘密が隠されていたとしたら――いったいどんなドラマが広がるのでしょうか? 研究内容の詳細は『PLOS ONE』にて発表されました。
「イヌイットの言葉には雪に関する言葉が多いのか?」 これは古くから議論されている言語文化の問題です。 これまでは「イヌイット語には雪の単語が何十個もある」とか、反対に「イヌイット語の雪の言葉が多いというのは大嘘である」といった真逆の主張がなされてきました。 では結局、どちらの意見が正しいのでしょうか? 豪メルボルン大学(University of Melbourne)が新たに調査した結果、雪に関する語彙が世界で最も多いのは確かにイヌイット語であることが確かめられたのです。 またこれと別に、世界の中で日本で最も多い言葉についても明らかになっています。 研究の詳細は2025年4月10日付で科学雑誌『PNAS』に掲載されました。 Do Inuit languages really have many words for snow? The most interesting finds from
悲劇的な芸術作品の鑑賞は、意外にもポジティブな感情体験をもたらすことが明らかになりました。 米ニューヨーク市立大学(CUNY)の研究チームは、難民の苦しみを描いた彫刻作品のビデオを通じて、人々が悲しみとともに「心が動かされる感覚」や「意味深い体験」を得ていることを発見。 また、この現象は単なる感動を超えて、共感や社会的態度の変化にもつながる可能性が認められました。 研究の詳細は2025年3月19日付で心理学雑誌『The Journal of Positive Psychology』に掲載されています。
道端で見かけた可愛い猫の柄が、実は新発見で、しかも遺伝的に特異なものだったとしたら、ちょっと驚きですよね。 実はそんな出来事が、北欧フィンランドで実際に起きたのです。 フィンランドのヘルシンキ大学(University of Helsinki)の研究によって、従来のタキシード模様とは一線を画す新たな毛色「サルミアッキ」の遺伝的背景が解明されました。 毛先に向けて徐々に色が薄まる独特のグラデーションを持つこの毛色が、遺伝子の突然変異によって引き起こされることが明らかになり、世界中の「ネコ好き」の注目を集めたのです。 研究内容の詳細は、2024年5月9日付の『Animal Genetics』誌にて発表されました。 Genetic Mutation Gives Cats a ‘Salty Liquorice’ Coat Colour https://mycatdna.com/blogs/news
危険な戦闘行為は、知らぬ間に脳を蝕んでしまうようです。 米ハーバード大学医学大学院(HMS)は最近、アメリカの特殊作戦部隊の兵士たちの脳に、一般人では見られない“ある異常”が現れていることを発見しました。 驚くべきことに、その異常は通常のMRI検査ではまったく見えません。 しかしながら最先端の脳画像技術を駆使した結果、脳内の通信網ともいえる「機能的結合性」が著しく低下していることが判明したのです。 そして脳の変化は、ちゃんと兵士たちのメンタル異常としても表れていました。 研究の詳細は2025年4月1日付で科学雑誌『Radiology』に掲載されています。 Brain Abnormalities Seen in Military Members with Blast Exposure https://www.rsna.org/news/2025/april/brain-abnormaliti
高齢化と認知症、ヘルペスウイルスの意外な影ある一般的なワクチンは認知症のリスクを20%も減らす効果があった【Nature】 / Credit:Canva高齢化が進む現代社会では、「いかに認知症を予防するか」がますます切実なテーマになっています。 認知症はアルツハイマー型だけでなく、血管性やその他さまざまなタイプがあるため、一枚岩で語りにくい病気ですが、共通しているのは患者本人だけでなく家族や社会全体に大きな負担がかかるということです。 だからこそ、病気が発症する前の段階で“何がリスクを下げる手段になるのか”を探る研究は、非常に注目を浴びてきました。 その中でここ数年、専門家の間では「ヘルペスウイルスと認知症の関係」に注目が集まっています。 ヘルペスウイルスと聞くと、唇にできる単純ヘルペスや性器ヘルペスを思い浮かべるかもしれません。 しかし実は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)もヘルペスの仲間
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