衆院の選挙制度についての各党協議が始まっています。最高裁判所で「違憲状態」と判断された衆院の「1票の格差」を解消することが差し当たっての課題ですが、民主党や自民党は小選挙区中心の現在の選挙制度に固執して、各都道府県にまず1議席ずつ配分する「1人別枠方式」の廃止でお茶をにごそうとしています。 しかし、小選挙区制を続ける限り、「1票の格差」問題の根本解決はできません。国民の意思を国会の議席に正確に反映する比例代表を中心とした制度に改めるなかで、格差の解消も実現すべきです。 1人が2票を持たない 最高裁判所はことし3月、小選挙区での「1票の格差」が2・3倍だった前回2009年の総選挙について、「違憲状態」と判断しました。憲法が定める「法の下の平等」の原則に照らせば、1人1票が原則で、1人で2人分以上の投票権をもつなどというのはあってはならないことです。 現在の衆院の選挙制度は小選挙区制と比例代表