中央防災会議の作業部会は、首都直下地震による甚大な被害想定を新たに公表した。 阪神・淡路大震災と同規模のマグニチュード(M)7・3の地震が都心南部を直撃した場合、建造物の倒壊や火災による死者は最悪で2万3千人にのぼる。経済被害は国家予算に匹敵する約95兆円と推計された。 M7級の首都直下地震は、30年以内の発生確率が70%とされる。日本の政治・経済の中枢機能がまひするような事態は避けなければならない。 最優先の課題は、住宅などの耐震化と火災対策である。 被害想定は平成20年のデータに基づき、東京都の耐震化率を87%として試算した。耐震化率を94%に上げると全壊棟数と死者はほぼ半減し、100%とすれば被害は10分の1程度になる。 火災防止策では、一定の揺れを感知すると電気が止まる「感震ブレーカー」の普及拡大を図るべきだ。同様の対策はガスでは実施済みだが、感震ブレーカーの普及率は数%程度と推定