ノーベル文学賞受賞を逃し、落胆する村上春樹さんのファンら(13日午後8時2分、神戸市中央区で)=金沢修撮影 13日夜に発表されたノーベル文学賞で、受賞を逃した村上春樹さん(67)にゆかりの神戸市のイタリアンレストラン「ピノッキオ」では、吉報を期待して集まったファンらが、肩を落としつつも「来年こそは」と夢をつなげた。 村上さんのエッセー「辺境・近境」に登場する店で、発表当日は愛読者らが集うのが恒例。今年も約20人の予約で満席になったが、インターネット動画中継で別の受賞者の名が読み上げられると、店内からはため息がこぼれた。 14歳の頃に村上さんの作品に出会ったという神戸市中央区の会社員女性(46)は「人生で迷いのある時に支えてもらった作品ばかり。残念だったけれど、また作品を読みながら1年を過ごして、来年の朗報を待ちたい」と話していた。
与野党の国会議員や閣僚の不適切な発言が相次いでいる。政治不信を助長する恐れがある。重い職責を担う自覚と緊張感を持つべきだ。 参院憲法審査会で自民党の丸山和也氏が「今、米国は黒人が大統領になっている。黒人の血を引く。これは奴隷ですよ」と語った。人種差別と受けとられかねない。オバマ大統領の父はケニア人で、奴隷の子孫でもない。 翌日、「自己変革があって、今の米国が生まれたことをたたえるつもりで話した」と釈明したが、到底、理解されまい。 丸山氏は「日本が米国の51番目の州になれば、集団的自衛権は問題にならないし、拉致問題も起こらなかった」とも述べた。荒唐無稽であり、国会議員としての資質を疑われても仕方ない発言だ。 民主党も人ごとではない。 中川正春衆院議員は代議士会で「安倍首相の睡眠障害を勝ち取ろう」と訴えた。睡眠障害と診断された甘利明・前経済再生相を引き合いにした発言だが、同じ病気に悩む人への配
4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報は、前期比0・4%減、年率1・6%減となった。3四半期ぶりのマイナス成長だ。 個人消費と輸出の不振が、主な要因である。本格的な成長実現のカギとなる設備投資も、小幅ながら3期ぶりに減少した。景気は回復が足踏みする「踊り場」に入ったとする見方も出ている。 大切なのは、停滞を長引かせないことだ。政府・日銀はリスクを入念に点検し、景気失速の回避に万全を期さねばならない。 内需の柱の個人消費は、前期比0・8%減だった。マイナスは、消費税率引き上げの影響で急減した昨年4~6月期以来である。 甘利経済再生相は消費減少の原因として軽自動車税増税や天候不順を挙げ、「一時的な要素が大きい」との見方を示した。 ただ、円安による原材料高で食品などの値上げが続き、賃上げの恩恵は相殺されている。家計が節約志向を強めているのは確かだ。デフレで染みついた弱気から、脱し切れていない面
戦後日本が過去の誤った戦争への反省に立って再出発したことを、明確なメッセージとして打ち出さねばならない。 来週発表される戦後70年談話を巡って議論を重ねてきた21世紀構想懇談会が、安倍首相に報告書を提出した。 報告書は、戦前の失敗に学んだ戦後日本の国際協調の歩みを評価し、積極的平和主義を一層具現化していく必要性を指摘した。 その中で、日本が1931年の満州事変以後、大陸への「侵略」を拡大したと認定した。的を射た歴史認識と言える。 ◆「満州事変」が分岐点だ 一方で報告書は、「侵略」に脚注を付し、一部委員から異議が出たことも示した。国際法上「侵略」の定義が定まっていないこと、歴史的にも満州事変以後を「侵略」と断定するには異論があることなどが理由に挙げられた。 だが、歴史学者の間では、軍隊を送り込んで他国の領土や主権を侵害することが「侵略」だと定義されてきた。 その意味で、満州事変以後の行為は明
内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米国家安全保障局(NSA)による日本政府機関の通信傍受を示すとされる文書に関し、日本政府は、現時点では盗聴による深刻な影響は出ていないと冷静に受け止めている。 菅官房長官は3日の記者会見で、「要機密(情報)の取り扱いは万全を期しているので、機密は全く漏えいしていない」と強調した。 日本政府関係者によると、政府高官や通商・外交交渉の担当者などは、米国を含めた他国の諜報(ちょうほう)機関による盗聴を常に想定。重要なやり取りをする際は、盗聴防止の機能がついた電話を使用するなど細心の注意を払っているという。政府内では今回の盗聴に関して、「織り込み済みで実害は少ない」(外務省幹部)との声がある。一方で、「まだ、公開されていない文書も多くあるはずだ」(関係者)と被害の広がりを懸念する見方もある。
スマートフォンやタブレット型端末の普及で、幼少期から情報技術(IT)に親しめる環境が生まれ、将来に役立つと考える親が増加。大手学習塾が相次いで教室を開くなど、新たなビジネスとしても注目を集めている。 ◆ベスト10入り 「やったあ、ちゃんと動いた」「この数値を変えると、キャラが強くなるぞ」 5月中旬、学習塾「りたりこ」(東京都目黒区)が渋谷区内に開いた教室で、ゲームを作りながらプログラミングを学ぶ小学生たちの歓声が響いた。 昨年4月に始まった教室には、約300人が通っている。6年生の男子児童(11)は、「英語の教室はやめたけど、プログラミングは面白いから続けられる」と目を輝かせた。 親も教室に期待を寄せる。小学1年生の長男を通わせている大田区の会社員男性(45)は、「将来、プログラミング能力は今の英語力のようになるだろう。小さい頃から慣れておくのは大事だ」と言う。
読売新聞社は2~3日、集団的自衛権の行使を限定容認する新たな政府見解の閣議決定を受け、緊急全国世論調査を実施した。 安倍内閣の支持率は48%で、前回調査(5月30日~6月1日)の57%から9ポイント下落し、2012年12月の内閣発足以来、初めて5割を切った。不支持率は40%(前回31%)。政党支持率は自民党40%、民主党6%、公明党4%などの順だった。 安倍内閣の支持率が初めて5割を切ったことに、政府・与党はショックを受けている。 集団的自衛権行使の限定容認に関する国民への説明が不十分だったとみて、「国民に理解をいただく努力をしていく」(高市自民党政調会長)構えだ。野党は「反転攻勢の機会が訪れた」(民主党)と勢いづいている。 菅官房長官は3日のBS11の番組収録で、報道各社の世論調査について「(集団的自衛権行使に関する)閣議決定をすれば、それなりに支持は下がると思っている。だが、一番大事な
春までの漁期を残し、主要な産地では、すでに昨年の漁獲量を大幅に上回っている。昨年は1キロ・グラム当たり248万円まで高騰した取引価格が、50万~60万円に値下がりしている。早ければ半年で成魚になるといい、今夏以降には、店頭でのウナギの値下がりも期待できそうだ。 国内有数の漁獲量を誇る高知県では、昨年12月下旬の解禁から2月15日までの漁獲量が248キロ・グラムとなり、過去最低だった昨季(23キロ・グラム)の10倍を超えた。好漁の要因について、県の担当者は「黒潮の流れが変わり、海流に乗って来たのではないか」と推測するが、真相は不明だ。 鹿児島県でも、2月15日時点で漁獲量が501キロ・グラムに上り、昨季全体の149キロ・グラムを大幅に上回る。台湾など海外でも比較的、今年の稚魚漁は好調とみられる。台湾産や中国産の稚魚が集まる香港からの昨年12月の輸入量は約5・5トンで、前年同期(約0・6トン)
政府が高校での日本史の必修化を検討していることが5日、明らかになった。 日本史は現在は選択科目だが、海外で活躍する日本人が増える中、自国の歴史を十分に学び、理解している人材を育成すべきだと判断した。文部科学相が今夏にも中央教育審議会(中教審)に高校の学習指導要領の改定について諮問する。教科書検定などを経て、早ければ2019年度から日本史が必修科目となる。 高校の「社会」は1989年の学習指導要領の改定で「地理歴史」と「公民」に分かれ、「地理歴史」の中で世界史が必修に、日本史が地理との選択制となった。改定前も日本史、世界史、地理は選択科目だったが、「国際化への対応」を優先した結果、学校現場で「日本史軽視」の風潮が広がった。文部科学省によると、現在3~4割の高校生が日本史を勉強せずに卒業しているとみられる。
総務省と文部科学省は、インターネット上に電子教材を置き、学校と家庭の双方でタブレットなどの端末を使って勉強ができる新たな教育システムを2014年度後半から試行する。 当初は一部の小中高と、特別支援学校の十数校が対象だが、16年度には全国への普及と海外展開を始める計画だ。 ネット経由でデータを管理・利用する「クラウド」の仕組みを利用する。サーバーに英数国理社の5科目の電子教材を置き、学校の授業で使うほか、児童・生徒は自宅でも教材を引き出して予習や復習をすることができる。電子教材は、文字のほか映像や音声を組み合わせることでより効果的な学習が期待できる。 学習記録を分析することで、児童・生徒がつまずきやすいポイントを教師が把握でき、教材や指導方法の改善に役立てることも可能となる。転校する場合にも、学習記録を新しい学校に簡単に引き継ぐことができる。 タブレットや電子黒板を使った教育は、これまでも国
日本浮上へ総力を結集せよ(1月1日付・読売社説) ◆「経済」と「中国」に万全の備えを デフレの海で溺れている日本を救い出し、上昇気流に乗せなければならない。 それには、安倍政権が政治の安定を維持し、首相の経済政策「アベノミクス」が成功を収めることが不可欠である。 当面は、財政再建より経済成長を優先して日本経済を再生させ、税収を増やす道を選ぶべきだ。 そのうえで、年金・医療などの社会保障、安全保障・危機管理、エネルギーなどの政策分野に投資し、中長期的に国力を上昇させていくことが肝要である。 対外的には、アジア太平洋地域の安定が望ましい。 中国が東シナ海とその上空で、強圧的な行動をエスカレートさせている。日本との間に偶発的衝突がいつあってもおかしくない、厳しい情勢が続く。 日中両国の外交・防衛当局者による対話を重ねつつ、日米同盟の機能を高めることで、軍事的緊張を和らげねばならない。 今年も「経
NHK新会長 偏りなき番組で責任を果たせ(12月21日付・読売社説) 中立で公正な番組作りを推進することで、公共放送のトップとしての責任を果たしてほしい。 NHKの経営委員会は松本正之会長の後任に籾井勝人氏を選出した。籾井氏は三井物産で副社長を務めた後、情報システム会社の日本ユニシスで社長などを歴任した経済人だ。 民間出身の会長は3代連続である。企業で培った経営手腕を存分に発揮し、NHK改革の実効を上げることが求められる。 松本会長が受信料の値下げや職員給与の削減といった改革に取り組んだ点は評価できる。 ただ、民放に比べ、要員削減や制作費の使い方などでNHKの合理化努力はまだ甘い。籾井氏はコスト意識を徹底させ、肥大化した組織の見直しを図るべきだ。 NHKの収入の9割超を占める受信料は、支払っていない比率が全国で3割近くに及ぶ。 国民の不公平感を和らげるためにも、受信料の徴収率をさらに引き上
教育委員会改革 首長の暴走食い止められるか(12月15日付・読売社説) 自治体の教育行政の在り方に、大きな転換を迫る内容である。 中央教育審議会が、教育委員会制度改革に関する答申をまとめ、下村文部科学相に提出した。 教育行政の最終権限者を教育委員会から自治体の首長に移し、首長の任命する教育長を事務執行責任者と位置付けたのが特徴だ。 地方の有識者など非常勤の教育委員が合議で意思決定する現行の教委制度は、責任の所在があいまいだと批判されてきた。大津市のいじめ自殺事件で露呈したように、重大案件に対し迅速な対応がとれないという指摘もあった。 権限と責任を、首長と常勤の教育長のラインに集中させることにより、教育現場で起きる様々な問題への対処能力を高めようという狙いは理解できる。 答申通りになれば、首長から独立していた教委は、首長の付属機関に性格を変え、首長が定める大きな教育方針の審議にあたる。 現在
日本小児科医会(松平隆光会長)は、乳幼児の心身の発達への影響が心配されるとして、来月から、スマートフォンの利用を控えるよう保護者に対し啓発活動を行う。 スマホの普及に伴い、絵本やパズルなど乳幼児向けのアプリも増えている。中には100万回以上ダウンロードされている人気アプリもある。スマホを子供に渡して、こうしたアプリで遊ばせたり、アニメの動画を見せたりして、放っておくケースもあるという。 東京都内の1歳児の母親(32)は、「子供が外出先でぐずると、つい渡してしまう」と打ち明ける。 今月1日には乳幼児向けアプリを企画・販売する企業が、乳幼児のスマホ利用のガイドラインを独自に作成した。「親子で会話をしながら一緒に利用しましょう」「創造的な活動になるよう工夫しましょう」など5項目で、ホームページで公表している。 ただ、日本小児科医会の内海裕美常任理事は「乳幼児期は脳や体が発達する大切な時期。子供が
国際成人力調査 「読解力」世界一は誇らしいが(10月10日付・読売社説) 日本の教育水準の高さが示されたと言ってもいいのではないか。 経済協力開発機構(OECD)が、16歳から65歳を対象に初めて実施した国際成人力調査(PIAAC)の結果を公表した。 日本は「読解力」と「数的思考力」の平均点で1位となった。 一昨年から昨年にかけ、欧州各国や米国、韓国など、先進国を中心とした24か国の約15万7000人が参加した大規模調査だ。仕事や日常生活で必要な能力の水準を測る目的がある。 OECDが15歳を対象に3年ごとに行っている国際学習到達度調査(PISA)では、一時、日本の子供の成績が落ち込み、教育関係者に衝撃を与えた。大人を対象にした今回の調査での好成績は、ひとまず明るい材料と言える。 成人力調査によると、日本は他国に比べ、成績下位層の割合が少なかった。特に読解力では、日本の中学卒の人は、米国や
経済協力開発機構(OECD)は8日、24か国の16~65歳の男女を対象に初めて行った「国際成人力調査」(略称PIAAC)の結果を公表した。 仕事や日常生活で必要とされる能力の習熟度を3分野で調べたもので、日本は「読解力」「数的思考力」の2分野で平均点が1位となり、学校教育の高い水準を裏付けた。一方で、「ITを活用した問題解決能力」は10位で、16~24歳では13位にとどまった。 調査は2011~12年、ほぼ世界共通の問題で行われ、約15万7000人が答えた。日本では1万1000人を無作為に抽出し、5173人が応じた。 国際比較では、フィンランドが3分野とも2位で、15歳を対象に09年に行われた国際学習到達度調査(PISA)と同様に好成績だった。日本は上位と下位の差や、職業や学歴による差が小さく、幅広い層で高い能力を示した。中高年が好成績だったのも特徴で、文部科学省は「戦後の義務教育の成果」
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