バスの前方でぽつんと座る白人の女性。後方には大勢の黒人がぎっしりと。60年ほど前の米国南部を切り取ったひとコマです▼当時、アラバマ州モンゴメリーで1人の黒人女性が逮捕されました。名はローザ・パークス。公営バスの中で白人に席を譲ることを拒んだ罪で。「モンゴメリー・バス・ボイコット」と呼ばれ、公民権運動のきっかけの一つになりました▼戦後もつづいたアメリカの人種差別法。人間の尊厳をもとめ、平等・公平な社会をめざした運動は、差別の撤廃を大きく前進させました。しかし現在も、かの地に人種問題は根強く残ります▼二つの事件がいま全米を揺るがしています。今年8月に当時18歳だった黒人青年を射殺した白人警官が不起訴に。さらに、7月に黒人男性の首を絞め死亡させた白人警官が、またも不起訴。命を奪いながら罪に問われない現状に、抗議する人の輪がひろがっています▼オバマ大統領は「多くの社会的少数者は警察が自分たちの味方