韓国でMERS感染患者が初めて確認されてから3週間以上たっても、感染拡大が止まらない事態に、医療従事者らの団体で構成する「健康権実現のための保健医療団体連合」は、医療の民営化がもたらした災害だと批判しています。 同連合の政策委員長で医師のウ・ソッキュン氏は、韓国日報(4日付)への寄稿文で、感染症の対応に欠かせない感染隔離施設が、圧倒的に不足していると指摘します。 平時には使用しないことも多く、維持費もかかる感染隔離病室や病棟を所有しているのは数少ない公立病院です。同国の公立病院の割合は全病院数の約6%で、病床数も約10%。経済協力開発機構(OECD)加盟国の公立病院の割合は73%ですから、極端に少ないといえます。もうからない公立病院を減らし、民営化を進めてきた、患者不在・利益優先の医療政策の結果です。 一方で95%近くを占める民間病院は、隔離病床はなく、むしろ狭いスペースに病床を密集させて