本家の『レンジローバー』とサイズを比較した時、予想外にそれほど大きくは変わらないという印象を持った。全高以外は。 全長で標準ボディのレンジローバーと比較した場合、『ヴェラール』は202mm短い。一方で、全幅は逆に47mm大きい。そして全高が実に200mmもヴェラールが低いのだ。と思っていたら、これはウェブサイト上での話で、紙ものの諸元を見ると、レンジローバーと比較して全長では185mm短く、全幅は逆に55mmレンジより狭いことになっている。それに全高も180mm低いということになった。因みにレンジローバーの方はウェブ上での諸元である。まあ、レンジローバーを大きく見せている原因は偏にこの全高の高さにあると言っても過言ではないのだが、一体どちらが正しいのか??という印象である。 プラットフォームはジャガー『XE』、『XF』、『F-PACE』と同じものが採用されている。当然のことだがアルミストラ
4ドアクーペなるセグメントが誕生したのは今世紀に入ってから。その走りはメルセデスベンツ『CLS』クラスが端緒ではないだろうか。その流れを汲んでアウディが投入したのが、『A5スポーツバック』である。 最大の魅力は、やはり何と言ってもその流麗なスタイリング。今やドイツのメーカーは全てこのクーペ風の4ドアモデルをラインナップしているが、ことデザインに関しては、アウディが最も美しいフォルムを持っていると個人的には思う。 自動車を購入する時にその動機となる最大の要因は何か。個人的にはデザインではないかと思っている。勿論性能も機能も大事だけれど、カッコいい…と言うのはある意味殺し文句で、どんなに性能が良くてもカッコ悪いクルマには乗りたくない…と言うのが僕の持論。まあ異なるご意見もあるだろうが、その部分だけを切り取ればA5スポーツバックは欲しいクルマの1台と言って過言ではない。 このクルマに試乗する直前
昔を知るものにとって、プジョーというブランドは保守の塊のような存在であった。もっともそれは、余りにも斬新で革新的なシトロエンというブランドと比較されてのことだったように思う。 PSAとなって、プジョーはシトロエンを飲み込んだ。1991年に誕生したPSAは今年に入って、インドのヒンドスタンモーターとアンバサダーのブランドを買収、それに続いてドイツのオペルをGMから買収、更にはマレーシアのプロトンにまで手を伸ばしたが、それは中国のジーリーにさらわれてしまった。こうしたM&Aの結果、PSAは今、VWに次ぐ、ヨーロッパ第2の巨大メーカーに成長しているのだ。 とまあ、少々前置きが長くなったが、こうしたM&Aはすべて今年、即ち2017年に入ってから行われたもので、如何にPSAが急成長を遂げているかがわかるのだが、この拡大路線の背景には生き残りをかけたサバイバル戦の様相も見え隠れしている。 『3008』
ホンダ『N-BOX』と『N-BOXカスタム』、せいぜい顔が違う程度で、エンジンもトランスミッションも基本同じものだから、あとは装備の差だけでしょ?多くの人はそう思うだろう。 しかし、少し高いのは単に装備の差だけじゃなくて、それなりに訳があった。装備上の違いとしてはフロントグリルが大きく異なり、メッキの加飾を多用。そして9灯式のLEDライトを装備するのはカスタムの大きな特徴だ。また、流れるウィンカーであるシーケンシャルターンシグナル採用は、ホンダの軽では初のものだそうである。 インテリアを見てもインパネやドア・グラブハンドル周りにメタリック仕上げのプラスチック加飾を施しているが、これは個人的には少々下品に感じてしまった。ドアオープナーの上には小物入れが用意される。女性の髪留めなどを入れるために便利なのだそうだが、ちょうどアシストグリップ代わりに使え、つい手をそこに突っ込んでドアを開けようとし
業界の盟主がその2代目を作るにあたり考えるのは、多くの場合大胆な変革は求めず、無難にキープコンセプトでやり過ごそうということのような気がする。 確かにスタイルだけ見れば…つまり街を行くホンダ『N-BOX』の新しいモデルを見れば、多くの人はそう思うに違いない。しかしである。その見た目とは裏腹に、ホンダは2代目のN-BOXをとことん違うものに変えた。 エンジン、トランスミッションは新設計。そしてボディも新設計。スタイルこそ、概ね旧型のイメージ踏襲、と言ったところなのだが、これにしてもデザイナー氏に言わせると相当に目新しくしているのだということだった。 それにしてもその金の掛け方、尋常じゃない。ボディの作りはホンダセンシングを標準搭載するなど商品力をアップしたうえで、その骨格自体を軽量化。装備追加などを差し引いても先代より80kgも軽くしている。エンジンはあのi-VTECを採用した。勿論これ、V
マツダ『CX-3』と言えば、ディーゼルエンジンのみで、サイズの割には高価格というニッチ戦略で誕生したBセグメントのSUVである。しかし、そのディーゼル専用として登場したはずのCX-3に、ガソリンモデルが追加された。エンジンは2.0リットル直4のSKYACTIV-Gである。『アテンザ』や『CX-5』に搭載されているものとはチューンが異なり、148ps、192Nmと若干デチューンが施されている。 今回マツダは他メーカーに先駆けて、WLTCモードの燃費をカタログに表記している。2018年からは各社一斉にこの標記に切り替わるが、その第1号となった。余談だがWLTCは従来のJC08と異なり、総平均燃費の他に、市街地、郊外、高速の各モード燃費が表記される。僅かではあるが実燃費に近い表記となる。CX-3の場合、JC08では17.0km/リットルだった燃費は、WLTCでは16.0km/リットルとなり、市街
1991年のジュネーブショーで3代目の『Sクラス』が発表された。常に時代の最先端を行くメルセデスのフラッグシップは、彼らの理念と戦略に基づき、最高のモデルを作り上げた。しかし、待っていたのは反発。ここからメルセデスのクルマ作りが変わった。 その前、つまり2代目のメルセデスSクラスは空前絶後のヒット作となり、今も最多販売台数の記録はこのクルマが持っている。それをメルセデスとしては正常進化させたのが、「W140」を名乗る3代目Sクラスであった。しかし当時の世相は省エネに端を発する環境問題が声高に叫ばれていた時期。大きく重く、そして燃費の悪くなったSクラスの評判は、彼らが自信を持って送り出した割りには低いものだったのである。その反動で、次の4代目「S220」は、大幅にダウンサイズされ、世相に配慮したのだが、その分押し出しが弱く、また批判を浴びた。Sクラスの盛衰がこの時代に見て取れる。 そして今、
シトロエンという自動車メーカーは昔から自動車を単なる鉄の塊とは捉えず、人間味のある姿形、そして動きをさせるのが得意だった。 プジョーに吸収されてPSAの一員となって以来、そうした面影を失っていたが、最近になってまたそれが復活してきたように感じる。最新鋭の『C3』に試乗して改めてそれを強く感じた。 同時に、自動車とは一体何なのか?という問い掛けも我々にしてくれているようにも感じた。このクルマ、特にこれといった最新装備や先進的安全デバイスなどを装備しているわけではない。クルーズコントロールは装備されていたが、ACCでもない。LEDのデイタイムランニングライトは付いているが、ヘッドライトはハロゲンで照らしてみると夜間は周囲が黄色く淡く光る。エンジンは1.2リットル3気筒ターボで、そこそこの活発な走りはするものの、非常に俊敏と言うほどのパフォーマンスは持ち合わせていない。 3サイズ、全長3990×
多くの試乗記は、試乗会で短時間試してみるか、あるいは雑誌媒体などでは通常、箱根あたりまで往復してそのクルマを評価する。 しかし、PHEVに関していえば本当なら1週間ぐらい借りて乗ってみないとその本質はわからないと思う。何故ならば、電気が無くなった後のクルマの動きが重要になってくるからだ。クルマの動きというのは、運動性能という意味ではなくて、要するにバッテリーが無くなった時はエンジンとモーターがどのように動くかという意味である。 BMW『530e』を一週間借用して、日常的に使ってみた。因みに我が家には充電設備がない。もし充電するとしたら例えばBMWのディーラーに行くか、市中の200V充電設備がある商業施設などで充電をするということになる。 PHEVの多くは、満充電の場合積極的にバッテリーを優先して使うように設計されているように思える。BMWの場合、オートeドライブ、マックスeドライブ、それに
アウディSUV系モデルレンジのボトムエンドに位置する『Q2』。前回1.4リットル版を試乗した時にも話したが、骨格のベースは『A3』である。一方でエンジンベースは『A1』で、今回は前回乗れなかった1.0リットルをお借りして乗ってみた。 1.4リットル版同様、このクルマが優等生であることは、痛感させられる。とにかくそのサイズ感、パフォーマンス、上質感、それに運動性能のどれをとっても、ほぼライバルと思しきクルマと比較して概ね上回っている。これはいわゆる総合評価としてそうなるのであって、部分的には、んっもう…! と嘆くところもあった。 まず、ボディと基本的な装備についてはほぼ1.4リットル版と変わらない。もっとも、試乗車にはおよそ45万円相当のオプションが装備されているので、単純な比較はできない。 恐らく一番気になるであろうところは、性能差だと思う。確かに1リットルターボは、ここ一番という時の頑張
ちょっと気の利いたキャッチをつけようとあれこれ考えてみたものの、全く良いのが浮かばず、ベタに4ドアスポーツとしたが、これ、本当に下手なスポーツカーなら楽々カモれる実力を備えた4ドアセダンである。 その昔、最高出力は自主規制のもとに280psに抑えられていたが、その当時上限いっぱいまで高めていたのが、WRXの前身とも言える『インプレッサWRX』だった。当時は三菱『ランサー・エボリューション』との覇権争いが激しく、ともにラリーフィールドでその名を轟かせたモデルだった。 そして今、WRXは当時のラリーバーション剥き出しのいかにも速そう…から、どこにでもいる普通のセダンへと変身し、しかも最高出力は当時を凌ぐ308ps。そんな高出力を平気で路上で使えるところが凄いのだが、その実力は現実的には使えない。要するに速すぎるから。白バイやパトカーに捕まるのを覚悟の上ならそれも出来ようが、ここで敢えて交通違反
今年で誕生20年の節目を迎えたトヨタ『ハリアー』。現行モデルが登場したのは2013年で、この世代からそれまでの『カムリ』ベースではなくて『RAV4』ベースに変わった。 タイトルに何故将来が楽しみなクルマと書いたかであるが、このプラットフォーム変更にも関わらず、ハリアーは高い質感や乗り心地、それに静粛性を担保していて、レクサスから分離されたとは言え、依然として高感度クロスオーバーとしてのポテンシャルを持っていたこと、そしてこの潜在的ポテンシャルが、次をさらなる高みに確実に持っていける確かな理由があるからだ。 今回は、新たな2リットルターボエンジンが搭載されたことで、パフォーマンスという武器も手に入れた。カムリとの合同試乗会という形をとったので、カムリからの乗り換えで、このハリアーのステアリングを握った。しかしのっけからその静粛性には舌を巻かされた。とにかく快適、そして静かである。この点は従来
似たような名前の『SX4』と、『SX4 S-クロス』は似て非なるクルマである。SX-4は『スイフト』をベースにイタルデザインのボディをデザインした、SUVとハッチバックのクロスオーバー的モデル。これに対して新しいSX4 S-クロスは、『エスクード』と共用のプラットフォームを使った完全なるSUVである。 そして、エスクードとの違いについてスズキの開発者に尋ねると、SX4 S-クロスは全長でエスクードよりも大きく、(全幅は小さいが)言わばスズキ最大のSUVで、よりファミリーやアーバンユースを意識したモデルであるのに対し、エスクードの方は以前より、ワイルドでオフロードを意識したモデルに仕上げているということだった。 しかしそうは言うものの、今回の変更では幅広の17インチタイヤを装着し、最低地上高を従来より20mm高くしたこともあって、印象的にはエスクードのジャンルであるオフロードを意識したモデル
はっきり言おう。何とも悩ましいクルマであった。1週間で350km弱を走行した。ほとんど町内回り使用で、高速は全体の2割ほど。VW『up!』の話である。 どこがどう悩ましいか。まずはこのクルマをVWとして見た場合、コンパクトでどんなに高くても200万円を切る価格設定。安いモデルだと158万7000円から手に入る。これなら軽自動車を買う懐でVWが買える、となってすわっ販売店に!となる人もいるかもしれない。確かに75psの1リットル3気筒エンジンは、走り方のコツさえつかめば、やはり軽自動車では味わえない大胆な加速も体感できるし、何よりしっかりとしたシャシーと骨格によって、圧倒的に軽自動車よりもどっしりした走行フィーリングを満喫することが出来る。 と、ここまで来るとやっぱりVWブランドだよなって話になり、山椒は小粒でもピリリ、なわけだが、350kmほど走った後の燃費はと言うと、これが12km/リッ
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