東京・JR目黒駅前では昨日、白い煙が上がり、食欲をそそる香りが立ちこめていた。岩手県宮古市で水揚げされたばかりのサンマ7000匹が、無料で振る舞われた。20周年を迎えた「目黒のさんま祭り」は、大盛況だった。今年のサンマはやや小ぶりだが、脂がのっているという。 ▼ただ、サンマについては、気になるニュースもある。絶滅危惧種とされたニホンウナギやクロマグロと違い、これまで安定しているとみられてきた資源状態に、黄信号が点滅しはじめたのだ。原因のひとつとされているのが、北太平洋の公海で外国船が行っているサンマ漁の影響である。 ▼なかでも2年前に日本の漁獲量を追い抜き世界一となった、台湾の乱獲ぶりはすさまじい。全長70メートル、1000トン級という、日本の漁船とは桁違いの巨大漁船が、何十隻も漁場をめざす。漁は半年近くに及び、台湾からの運搬船がサンマを回収していくのだという。
![【産経抄】目黒のさんま 9月7日(1/2ページ)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d98d9b087cea6d7021528796b9f3a5dcd0d59783/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fcommon%2Fimages%2Fogp_column-sankeisyo.jpg)