このタイトルをいま読むとギャグとしか思えないが、おそらく2月下旬に書かれた本書(リンクは張ってない)で、著者はこう勝ち誇っている。 金融緩和をするとインフレ予想が出て、実質金利が下がる。そして、実質金利が下がることで、為替が安くなって株価が上がる。[・・・]これらはすべて、経済学のオーソドックスな理論で、すべて実証されていることです。批判に対してはこう答えれば十分でしょう。「論より証拠。いま目の前で起こっていることを見てください」(p.42、強調は原文) これに対しては、同じ言葉を著者に返せば十分だろう。株価も地価も暴落し、円と長期金利は上がって、4月のコアCPIは前年同月比-0.4%のデフレで、予想インフレ率も下がってしまった。 著者のトリックは単純である。日銀の発行するマネタリーベースと市中に出回るマネーストックを「通貨」や「マネー」という言葉で混同し、都合よく使いわけるのだ。たとえば
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