中国人の間で「小痰盂」(小さい痰壷)という、ありがたくないニックネームで呼ばれている日本のモノがある。「EF 50mm F1.8」というキヤノンの一眼レフカメラ用の交換レンズである。 写真を少し専門的に勉強しようという若者が、「カメラマンになりたいならズームレンズを使おうなどと横着せず、まず単焦点のレンズを付けて、自分の足を使って近づいたり離れたりしてたくさん撮りなさい」と言って師匠や教師から勧められるのがこのレンズだ。レンズはFの値が小さいほど光を多く取りこめるので暗い場所でも手ブレせずに撮れるが、カメラメーカーがボディと抱き合わせで売るレンズキットはせいぜいF値が4程度。その点キヤノンのEF 50mmは600元前後(約1万2000円)と手ごろな価格ながら、F1.8と明るく描写も優れていると評価の高いレンズだ。 小さな痰壷のようなレンズとは その安価で質の高いレンズになぜ小さな痰壷という