「応用ソフトウエアに心配はない。これから米国をしのぐものができても不思議ではないと思う。人件費が安い。普通の事務処理用プログラム1ステップの値段は日本は200~300円だが、米国では5ドル(1800円)につく。したがって輸出のチャンスにも恵まれる」 日経ビジネス創刊号(1969年10月号)の『日本のソフトウエアはここまで来た』という記事にこの一節があると、日経コンピュータの原隆記者が書いていた(『iPhoneを買ったら偽物だった』)。 原記者がiPhoneの偽物をつかまされた下りは楽しく読んだものの、冒頭の引用文が出てきた所で考え込んでしまった。筆者は記者活動30年目に入る本年、ソフトウエアについて書くと年初に宣言した(『ソフトウエア、それが問題だ ~ Software matters』)。国際競争力の話は避けて通れない。 『日本のソフトウエアはここまで来た』という記事から45年経ち、日本