ITベンダーの経営者はよく、日本のIT教育の脆弱ぶりを嘆く。いわく「米国に比べて日本では、大学でコンピュータサイエンスを学ぶ学生が圧倒的に少ない。しかも日本の大学では、ビッグデータ分析など最先端の技術を教える体制ができていない」。「欧米では電子黒板などの利用が当たり前。中学や高校で黒板を使っているのは日本ぐらいだ」。 さらに言う。IT教育が脆弱であるために、ITベンダーは優秀な若手技術者を採用できない。日本のIT業界はいつまでたっても技術レベルで米国をキャッチアップできず、結果として日本のユーザー企業や日本全体の競争力低下を招く――。 これは言うならば、日本のIT業界関係者による“IT教育亡国論”だが、本当にそうか。私には単なる“責任転嫁”にしか聞こえない。 自国だけでなく全世界から優れた学生を集める米国の大学。そこでコンピュータサイエンスを学んだ若者が、米国のITベンダーで最先端の技術開
![SI亡国論(その3) - 「ハイテク産業」の仮面と労働集約の崖っぷち](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8dd851dfe64b3f40da7922aacf10ce174b7b20f5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fit%2Fatcl%2Fcolumn%2F14%2F542472%2F121100011%2Fchuu.jpg%3F20220512)