一昔前、日本は為替介入を通じて行き過ぎた円高の防波堤役をしていたことがあります。この数年あまり聞かなくなったのはアメリカが嫌な顔をすることと日本円の市場が成長し、グローバル経済、更には投資マネーが世界中を飛び交っている中で一国の為替介入が及ぼす影響は限界がある、という事であります。 一方で小国ではいまだ為替介入という直接的手法は使われています。韓国もそうですし、スイスも一時為替防衛で介入をしていました。記憶に新しいところではウクライナも国家の危機で為替介入をしています。そういう意味では日本があまり直接介入をしなくなったのは「円が成長した」と私は前向きに評価しております。 ところが「異次元の金融緩和」は明らかに円安を目指したものが当初から明白に設定されていました。ですから、黒田バズーカ砲の第一弾の時、円安が実弾を伴わないで実行できたのは素晴らしいと高く評価されたのであります。第二幕も同様の傾
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