満足度★★★ 付箋数:21 「公的資金1兆円の投入を受けたJALが、それを原資に運賃の 値下げをしてきたら、フェアな競争にならない。」 これはANA社長だった伊東信一郎さんが、 文藝春秋に寄せた手記の中で述べた主張です。 私も伊東さん同様に、世界中のエアラインがあげた利益の 約1/3を、支援を受けて再生したJALがあげるのは、 フェアな競争になっていない証拠だと思っていました。 しかし、「誰がやっても立て直せない」と言われたJALを、 稲盛和夫さんが見事に再生したのも事実。 稲盛さん自身は、JAL再建を次のように振り返ります。 「人様からは “晩節を汚す” と言われたが、自分のような老人が、 無給で、スルメをかじりながら必死に働く姿を見て、 倒産という厳しい経験をしたJALの人たちが何かを感じてくれた。 だから短期間のうちに、JALという巨大な組織にアメーバ経営と フィロソフィが染み透って