日韓問題は複雑なので誤解が多い。アゴラで書いたように、その多くは日本の戸籍制度が原因になっている。「創氏改名で民族の誇りを傷つけた」という話もそうだ。 創氏改名は強制ではなく任意で、1940年に受け付けが開始されてから半年で、80%以上が創氏を届け出た。名前を日本式に変えたほうが有利だったからだ。当時、朝鮮人から出たのは、「日本名に変えても内地に本籍を置けないのでは『内鮮一体』にならない」という不満だった。 他方、これを「日本が朝鮮人を同化させる温情主義だった」とする一部の保守派の主張も誤りだ。戸籍には朝鮮名を必ず付記させたので、日本式の名前を使っても戸籍を見れば身元がわかるしくみだった。こうした「四民平等」の建て前の裏で「二等国民」を識別するダブル・スタンダードが陰湿な差別を生み出した。 本籍地で国民を識別する壬申戸籍は、農民を土地にしばりつけた江戸時代の宗門改帳のなごりを残す国民監視制
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