ビジネスのデジタル化が進展し、経営やビジネス部門がITサービスに求めるものがバックオフィスシステムによる間接業務の効率化といったコスト削減から、ビジネスに直結するフロントオフィスシステムを生み出すことに変わってきた。一方で、クラウドの隆盛によって、ビジネス部門はIT部門に頼ることなく、自らITサービスを調達し、デジタルビジネスを創出することが可能になってきた。これはIT部門の中抜きを意味する。中抜きされたIT部門に残るのはバックオフィスシステムの維持管理だけとなるが、経営やビジネス部門の関心はそこにはない。 技術革新によるパラダイムシフトは、例えばダウンサイジングなど過去にもあった。ただ、多くはITサービスの作り方に関わる変化にとどまり、IT部門の地位を脅かすものではなかった。しかしクラウドの登場は、ITサービスの調達方法を変革する性質を持っており、IT部門の将来にわたる存在意義を根底から