日本IBMは1999年にSI(システムインテグレーション)事業で2500億円を売り上げた。国内ベンダーも日本IBMに対抗するため一気通貫のSIビジネスにチャレンジした。しかし思うような成果を上げられず、90年代半ばから見直しに着手。システム開発工程を2~3分割して受注するモデルに変えていった。全工程を仕様確定までとそれ以降、中堅SIerはシステム統合試験もベストオブエフォートの委任契約(ユーザー責任)とする(図1)。ただし全体を通して「参考見積もり」という文言を入れて、システム全体にかかる請負金額を提示する仕組みになっている。 可能な限りリスクを避ける方策だが、それでも業務ソフトの「設計・作成」は金額で全工程の60~70%に当たるため、円滑に運べばプロジェクト全体で20%の粗利を得られる。そこから販管費を差し引き7~8%の営業利益率を狙うのが一般的なモデルだった。 しかしこの利益率では、シ