システム開発にかかわる作業をITベンダーに委託する場合、一般的に次の三つのどれかの契約を結ぶ。成果物の責任を負わせる「請負」契約、業務支援などを依頼する「準委任」契約、そして技術者など人材を供給してもらう「派遣」契約、である。 これらの違いは、なかなか正しく理解されていないのが実情だ。「準委任契約なので完成責任を負っていない。そのため、成果物が完成していなくても、労働に対する対価を(ユーザー企業は)支払う義務がある」といった発言を、ユーザー企業とITベンダーの紛争で聞くことは珍しくない。 システム開発にかかわる紛争を見ると、請負契約と準委任契約に関連する理解不足が原因であることが多い。まずは準委任契約を中心に紹介しよう。専門家としての責任である「善管注意義務」についても知っておいてほしい。 「 委任」と「準委任」は同じ まずは「委任」「準委任」の言葉の定義に関する誤解を解いておこう。ごくた
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