ITベンダーはそろそろ、「モノ売り」に先祖返りしたほうがよいのではないか。こう書くと、IT業界でキャリアの長い人から「何を言う!」と強い反発を受けそうだ。IT業界でモノ売りというのは、主にITベンダーを貶める時に使う言葉だからだ。「ユーザー企業の課題を一顧だにせず、製品を売ったらおしまい」とのニュアンスだ。だが、私は本気で「モノ売りに戻るべし」と思っている。 確かに、コンピュータメーカーや販売会社は長い歳月をかけて、コンピュータなどの製品販売、つまりモノ売りから、ソフトウエア開発などのサービスにビジネスの軸足を移してきた。これを「顧客の課題を解決するソリューションビジネス」と位置付けた。聞こえは良いが、要は御用聞きのSIビジネス。従来からソフトウエア開発が主体だったITベンダーも含め、日本のIT業界はSIビジネス一色に染まった。 これに対して“ITの母国”である米国には、SIビジネスはほと