ユーザー企業のIT部門の多くは「発注者責任」を果たせていないし、そもそもそのことに無自覚だ。その結果、発注のQCD(品質、料金、期日)という3つの領域で大きな問題を引き起こす。 この特集ではこれまで、発注のQとCにおける問題点についてみてきたが、最終回の今回は発注のD(期日)、つまり特集の第1回の冒頭で紹介した開発着手などのスケジュールを巡る問題に焦点を当てる。そして最後に、ユーザー企業のIT部門に求められる発注者責任の自覚について言及する。 開発着手の延期がトラブル生む 開発スケジュール面での問題は、ユーザー企業のIT部門とITベンダーの双方にとって、いわゆる“あるある話”だと思う。だが、ユーザー企業にとっては“軽い気持ち”で伝えた通告で、一方のITベンダーにとってはパニックになるような事態。両者の間でその違いは大きい。 「開発着手の直前になって申し訳ないが、今回のプロジェクトは一時延期
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