一般的には、子どもは2歳になるころには、数百個の単語を話せるようになるものです。ところが私の息子のアレクサンダーは、2歳の時点で、口に出して言える単語は6つだけでした。2つの言語(ギリシャ語と英語)の会話を聞くときにはほぼ何でも理解できていたのにです。そうした状況にある多くの親と同様に、私も妻も、自分たちのやりかたが何か間違っているのではないかと考えました。 息子よりも年下の子どもたちがどんどん話せるようになっていくのを目にして、私たちの不安は膨らみました(私は言語習得の専門家ですが、それでも1人の親として、不安や自責の念からは逃れられません)。 2カ国語を身につけさせるバイリンガル教育に関しては、昔からいくつもの神話がついて回っています。たとえば、「言語の発達が遅れる」とか「認知機能の障害を招く」といったものです。けれども、子どもをバイリンガルに育てても言語習得に問題が生じないことは研究