前回は、1970年代以降から急速に進展しているいわゆる「グローバリゼーション」の背景には、どういった経営環境の変化が存在するのかを概観しました。今回は、ではなぜグローバリゼーションは進んでいないという見方があるのかを考えます。 具体的には、1)制度的・文化的距離、2)世界的な価値連鎖、3)消費と生産の集積、そして4)前提と定義の非合理性、という4つの要因を説明していきます。 グローバル化により、逆に距離を感じる理由 前回解説したように、いわゆるグローバリゼーションは様々な形で進行しています。しかし、それは逆に、世界が遠いという事実をより強く感じる原因ともなります。 それは、地域と地域の間には様々な「距離」があり、その距離には、技術革新により急速に小さくなりつつある距離と、技術革新では容易に変わり得ない距離が存在するからです。 この地域と地域の間に存在する「距離」をどの様に分類するべきかは諸