イスラエルのゲーム理論の大家アリエル・ルービンシュタイン自身が、ネットメデイアであるThe Browserのインタビュー(2012年6月6日)で次のように言っています。 「(自分は)ゲーム理論が現実に直接応用できるという主張には与しない。(略)ゲーム理論家たちは、極めて複雑な状況を抽象化し、その各要因を定式化することに非常に長けている。自分に言わせればそのように定式化されたモデルは寓話である。(略)自分の人生において、ゲーム理論家が理論に基づいて素人より有益な助言をしたのを見たことはただの一度もない」 ■5.青い鳥幻想な『ブルー・オーシャン戦略』 当社が「競争のない市場空間を切り開く」ことはすばらしいことです。「新しい需要を掘り起こす」?―つまり現在存在しない市場を作り出しなさい、そうしたらそこでは「競争を無意味とする」ことができます。その通りなんでしょうね。 問題は、当社にそんな能力があ
学習の専門家、アニー・マーフィ・ポール氏によると、知能は定量的なものではないそうです。むしろ賢さは、状況によって大きく変わるもの。そして、状況は私たちの手でコントロールすることができるのです。つまり、状況次第で自らを賢くすることも可能だというポールさん。その魅力的な講演の内容を、抜粋して紹介します。 Inc.:IQテストを受けたことはありますか? あたかも絶対値のような数値が出てきて、「それがあなたの生まれ持った能力なので、上げることも下げることもできません」と言われているような感覚。ある程度学習することはできても、基本的に生まれ持った賢さから逃れることはできない...。 ご安心ください。最新の科学では、それは間違いであることがわかっています。学習の専門家であり、著書も出しているアニー・マーフィ・ポール氏によれば、知能とはもっと複雑なものなのです。 ポール氏は、自身の講演会において、使い方
手に入れた本を読み終えられず、うしろめたさを感じたことはありませんか? 1年前に購入したのに「レベル3」までしか達成していないゲームや、途中で観るのを止めてしまった映画はどうでしょう? 途中で止めてしまってうしろめたさを感じるのは、珍しいことではありません。ですが、どうして罪悪感を覚えるのかを説明するのは簡単ではありません。 Wall Street Journalにおいて心理学者のMatthew Wilhem博士は、その理由は「個人の性格」にあると言っています。 Wilhem博士によると、競争心が強い人ほど途中で止める傾向にあるようです。彼らは「賞罰」の感覚で行動するからで、何かしら見返りや周囲に認められることがなければ、その本を読み終えなければならない理由を持てなくなってしまうというのです。 逆に、もっと気楽な性格の人は、読み終えられないと分かっている本であれば最初から読まないのだとか。
ライフハッカー編集部さま ここ何年で本を数百冊は買っているのですが、読んでもなかなか追いつかず新しい本がどんどんたまってしまいます。速読スキルを身に付けて、たまった本を速く処理するにはどうしたらいいでしょうか? Buried Under Bradbury(本に埋もれた本の虫)より Buried Under Bradburyさん 状況は痛いほどよくわかります。買った本に埋もれてしまうのは本当によくあることです(Amazonのウィッシュリストが200以上になってしまうのもよくあることです)。ただ、そんな状況から抜け出すのは思いのほか簡単です。今回は、積み上がった本を素早く片付けるアイデアをいくつかご紹介します。読む速度をアップさせる 「速読」は高度なスキルと思われがちですが、実際は驚くほど簡単に習得できます。『Speeder』のような速読訓練アプリを使うのも良いですが、ベースとなっている数種類
金融庁は2013年6月19日、日本におけるIFRS(国際会計基準)適用の在り方に関して議論している金融庁企業会計審議会の総会・企画調整部会合同会議を開催し、これまでの審議会での議論をまとめた報告書「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針(案)」を提示した(写真)。報告書案では「まずはIFRSの任意適用の積み上げを図ることが重要であると考えられる」として、(1)IFRS任意適用要件の緩和、(2)IFRSの適用方法、(3)単体開示の簡素化についての考え方を示した。 全ての上場企業の会計処理にIFRSの採用を求める「強制適用」については、「未だその判断をすべき状況にないものと考えられる」と記述。「今後、任意適用企業数の推移も含め今回の措置の達成状況を検証・確認する一方で米国の動向およびIFRSの基準開発の状況等の国際的な情勢を見極めながら、関係者による議論を行っていくことが適
「サイバー戦争は既に始まっている。知的財産が豊富な日本は、敵から見て重要な攻撃対象だ」---。標的型攻撃の対策製品を手がけるファイア・アイは2013年6月20日、都内で会見を開き、日本企業に対するサイバー攻撃の動向を説明した。米FireEyeで会長兼CEOを務めるDavid DeWalt(デビッド・デウォルト)氏(写真1)が、いくつかのデータを示しながら、攻撃者にとって日本が重要な国になっていることを力説した。 「サイバー戦争の結果、人類史上最大の富の移転が起こってしまっている」と、CEOのDavid氏は指摘する。「サイバー戦争はいつ始まるのか、という質問を受けるが、既に始まっており、結果も出ている」(David氏)。典型的な攻撃では、メールを駆使してCFO(最高財務責任者)から財務情報を入手したり、Webを活用して開発責任者の技術者から知的財産を入手したりする。 米FireEyeの調査レ
サイバー攻撃による顧客情報漏洩事件が続発している。2013年5月25日から6月5日までの間に、モバイル通信端末レンタルのエクスコムグローバルで約11万人分のクレジットカード情報が漏洩したほか、三越伊勢丹ホールディングスや阪急/阪神百貨店などを運営するエイチ・ツー・オー リテイリング、玩具卸のハピネットでも顧客情報が漏洩した(表)。 特に問題が深刻化しているのがエクスコムグローバルである。クレジットカード裏面などに記載された「セキュリティコード」も漏洩したからだ。このコードはオンライン決済の安全性を高めるために用いられる。そのため、クレジットカードのセキュリティ標準規格「PCI DSS」では、企業がセキュリティコードを保管することを認めていない。 にもかかわらず、エクスコムグローバルは決済処理後もデータをサーバーに保存していたため漏洩を招いた。同社は、「データを消去する運用をしていたが、実際
FOMC声明文、バーナンキの記者会見、共に極々普通の内容だった。それに対し、ダウは200ドル以上の下げとなり、ドルは大幅上昇した。普通のニュースに対して、大きく反応した市場価格。これをどう解釈するべきか。出口戦略といった内容に立ち入らずに、これを考えてみよう。つまり、驚きのないニュースに対して、投資家が大きく反応した、というのはどういうことか。その事実だけについて考えてみよう。 普通は、驚きがなければ、株価も為替も反応しないはずだ。理論ではそう考える。とりわけ、現代ファイナンスにおける効率的市場仮説は、利用可能な情報はすべて証券価格に反映されていると考えるから、このバーナンキの記者会見の内容が、現在の経済状況からいって、極めて普通であった場合には、株価も為替も反応しないはず、となる。 一方、株価も為替も現実には反応したことを市場関係者は、出口戦略が近づいた、金融緩和が縮小する見通しが強まっ
「SNSを考える その2」をお届けする予定でしたが、アメリカFOMCの発表に大きな意味が出てきましたので今日は「アメリカ金融政策はバーナンキの出口戦略」を書かせていただきます。「SNSを考える その2」は明日にお届けします。 2日間に渡って開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)はQE3と称する金融緩和政策を現時点では維持する事としました。経済の先行き(GDP)については2013年が見通しの上限を3月見通しよりやや下げた2.6%に、2014年は逆に0.1%ポイント強気の3.0-3.5%に引き上げました。注目されるのは失業率の見通しで2014年には6.5-6.9%、2015年には5.8-6.2%と急速なる回復を想定しています。 その後の記者会見で今秋以降(later this yearと表現)、金融緩和政策からの脱却を開始するとして、証券購入は2014年半ばには終えたいという具体的道標を見せ
同社が報告書を統合した背景には「投資家の意識変化がある」とリコー広報室の梅澤信彦シニアスペシャリストは言う。投資家が投資判断をする際、財務情報はもちろん、非財務情報である環境(E)や社会(S)、ガバナンス(G)といったいわゆる「ESG要因」が重要になってきている。そこで財務情報と非財務情報を同時に開示しようと考えたのだ。 単なる業績や結果の報告に終わるのではなく、方針や戦略、背景にある考え方も紹介することで、企業活動を包括的に理解してもらうことを目指した。環境会計といった詳細な数値データはウェブサイト上で公表し、紙の報告書では割愛した。 2013年末に基準を発表 目下、統合報告の開示に向けた動きが国際的に進行している。CSR(企業の社会的責任)報告書作成のガイドラインを策定する国際組織、GRI(グローバル報告イニシアチブ)によると、2012年3月までの1年間でCSR報告書を発行した世界の2
旧石器時代のホモ・サピエンスについて人類学と考古学が一緒になって研究するというのは、言われてみれば当たり前のことだ。人間は生物であるけれど、文化的な存在である。両方のアプローチから攻めるのが正当であろう。 そして、実際、欧米ではごく普通の光景だそうだ。例えば同じ学術雑誌に両方の論文が掲載される。しかし、アジア、もちろん日本では、そうなっていない。ぼくが、ふと思ったのは、大学に入る時の「入り口」の問題。人類学は理系で、考古学は文系という括りがなんとなくできていて、いわゆる文理の壁が隔てているという構図だ。 「それは大きいと思います」と海部さん。「僕も今思い起こすと、大学時代に考古学を学ぶチャンスってなかったんですよね。今になって学び出して、すごい面白いじゃんって思いながらやってます。勉強するのも楽しいし、一緒に仕事するのも楽しい。あと、日本の事情として、特に旧石器時代で言えば、主要四島から人
第二次世界大戦後の欧州統合の機関車役だったドイツとフランス。その連帯に黒い影が落ちつつある。そのことは、今年4月26日に、現在のフランス与党である仏社会党の議員たちが、欧州政策に関するシンポジウムで発表した文書に表われている。 フランス社会党員がドイツ批判 この文書の中で彼らは、ドイツのメルケル首相を名指しで攻撃した。パリ選出のジャン・クリストフ・カンバデリス議員らは、「現在欧州統合が行き詰まっている原因の1つは、ドイツのメルケル首相が緊縮政策を要求するばかりで、譲歩しようとしないことだ」と述べた。さらに、「メルケル首相が関心を抱いているのは、ドイツの預金者、貿易黒字、そして自分の政党の支持率だけだ」と批判した。 さらに彼らは「ドイツは、自由貿易と緊縮政策以外に関心を抱いていない。フランスは、メルケル首相の独裁的な欧州政策に抵抗しなくてはならない」と述べ、オランド大統領に対し、メルケル首相
事実は次から次へと明るみに出てきた――。 英ガーディアン紙は6月5日、米国家安全保障局(NSA)が、犯罪の疑いをかけられていない何百万という一般米国市民の通話記録を収集していると報じた。その翌日、今度は米ワシントンポスト紙が「プリズム(PRISM)」と呼ばれるプログラムの存在を明らかにした。NSAはこのPRISMにおいて、未知の量のEメール、インターネット通話、画像、動画、ファイル転送、ソーシャルネットワーキングのデータを大手インターネット企業から入手しているという。こうしたインターネット企業には、グーグル、フェイスブック、アップル、ユーチューブ、スカイプ、マイクロソフトのほか、A.V.M.ソフトウェア などが名を連ねている(以上すべて米国企業)。A.V.M.ソフトウェアは中東の人々やイスラム教徒の間で人気のチャットサービス「パルトーク」を提供している。 米上院情報委員会は、広範囲に及ぶ通
岡本隆司(おかもと・たかし) 京都府立大学文学部准教授。1965年京都市生まれ。神戸大学大学院文学研究科修士課程修了、京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門は近代アジア史。多言語の史料を駆使した精緻な考証で、現代の問題にもつながる新たな歴史像を解き明かす。主な著書に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会、1999年、大平正芳記念賞受賞)、『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会、2004年、サントリー学芸賞受賞)、『世界のなかの日清韓関係史』(講談社選書メチエ、2008年)、『中国「反日」の源流』(講談社選書メチエ、2011年)、『李鴻章』(岩波新書、2011年)、『ラザフォード・オルコック』(ウェッジ選書、2012年)、『近代中国史』(ちくま新書、近刊)などがある。(撮影:佐藤久) 前回は、20世紀の100年の間、中国人と韓国人は、華夷意識という理念と、強力な
かつて、日本の貿易相手国はアメリカ合衆国でした。そして近年、それが中国になりました。それもあって「中国は日本にとって欠かせない経済大国だ」といわれています。しかし、「実はそうでもない」ということも明らかになったのです。 今年1月、経済協力開発機構(OECD)と世界貿易機関(WTO)が「付加価値貿易統計」という“付加価値”で考える新しい貿易統計を公表しました。これによると、日本の輸出先はアメリカが最大で、従来の統計で最大だった中国を上回ることが分かったのです。対米の貿易黒字は従来の統計と比べて「6割増」となり、日本経済は「やはりアメリカとの結び付きが強い」ということを改めて認識させられました。 “付加価値”で考える貿易統計とは? これはどういうことなのでしょうか?「付加価値で考える新しい貿易統計」とは、一体何なのでしょうか? これまでの貿易統計は、「金額」で表していました。例えばこういうこと
清水 勝彦 慶應義塾大学大学院教授 東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。 この著者の記事を見る
今日、多様な人材の能力を活かして組織力を向上させていこうとする「ダイバーシティ(多様性)」が人事マネジメントのトレンドになっている。その「ダイバーシティ」を実現していくための大きなテーマの一つとして注目されているのが「女性活用」だ。 昨今、「女性活用」は政府の成長戦略にも盛り込まれ、社会全体で支持する風潮が高まっている。「女性活用」を推進することで「多くの女性が充実感を持って働くことができ、またそのことによって企業も競争力の強化や組織の活性化を図れる」として、女性の側も企業の側も目指すべき方向性はおおむね一致していると言えるだろう。 しかし、実際に「女性活用」を推進しようとする現場においては、企業側も女性側もそれぞれに問題や不満を抱えているのが現実である。私自身、「女性活用」の理想と現実の間で苦しむ企業と女性を数多く見てきた。 それでは、企業と女性の双方にメリットのある関係を構築していくた
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