誰だって、健康でいたい。 だが、食べ物に気をつけ、適度な運動をし、健康的な生活をしていても、病魔に侵されることはある。病気になるリスクを、ゼロにするのは不可能だ。 しかも、その“変化”は、皮肉にも元気であればあるほど突然に訪れる。 ある日を境に、満足に仕事ができなくなり、時短勤務でしか働けなくなり、長期療養が必要となり、最悪の場合、退職に追い込まれる。 と、何だかちょっとばかり重い出だしになってしまったが、今回はそんな健康不安と切ない気持ちが入り乱れた話からスタートします。 テーマは、20年、いや15年後の「私たちの問題」とでも言っておこう。 今から2年前、駅の構内に座り込んでいた73歳の男性が保護された。ホームレスの“見回り隊”に声をかけられた男性は、自分の状況を十分に説明することができず、 「認知症が進んでいる」――と判断されたのだ。 その後の調査で、 ・男性が40年もの間、調理師とし