「忘れられる権利」と消去権をめぐるEU司法裁判所の裁定 欧州連合(EU)の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所(Court of Justice)は,2014年5月13日に,EUデータ保護指令,EU基本権憲章の規定により,検索エンジンの運営者は,EU市民の過去の個人情報へのリンクを検索結果から削除すべき義務を負う旨の裁定を行った。また,今回の裁定に関連する立法の動向として,EUデータ保護指令の規則への変更も注目される。 1. 経緯 スペイン在住のX氏は,Google検索結果に,自己の不動産競売に係る1998年の新聞記事へのリンクが表示されることについて,2010年に,スペイン情報保護局(Agencia Espanola de Proteccion de Datos)へ申立てをした。X氏は,新聞社には当該記事の削除を,Google Spain,Googleには検索結果の非表示を求めた。情報保護局
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