誰もが等しく「知」と出会える環境を整備する契機にしたい。 視覚障がい者をはじめとする身体障がい者が書籍などの著作物を利用しやすくすることをめざす「マラケシュ条約」の締結が、25日の参院本会議で承認された。 同条約は、国連の世界知的所有権機関(WIPO)が提唱したもので、2016年に発効した。著作権の権利制限に例外を設けて、点字や音声読み上げ図書など障がい者が利用しやすい様式への複製を認めることが最大の柱である。併せて、複製物を国境を越えて共有できる国際的な協力体制の構築もめざしている。 国際NGOの世界盲人連合(WBU)によると、世界中で毎年出版される書籍のうち、視覚障がい者らが利用しやすい様式の書籍が占める割合は、先進的に取り組む国で7%、発展途上国に至っては1%にすぎない。 こうした現状は“本の飢餓”とも指摘されており、健常者との間で情報格差が拡大する要因ともなっている。改善を急がなけ
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