中国では、政府の推進政策やモデル事業の展開によって教育情報化が活発に進められており、国内外からは著しい成長市場として捉えられている。その中でも特に、電子白板などの教育応用製品、情報セキュリティ管理、大量バックアップ管理、キャンパス総合システム等の需要拡大が顕著である。本稿では、教育情報化における中国政府の施策とその結果生み出されている市場拡大の現状及び動向、並びに外資企業の最近の取組みなどについて述べる。 1.中国における教育情報化の進展 (1)教育情報化におけるインフラ整備の進展 中国政府は、教育情報化を国民経済と社会情報化の重要部分と位置づけてきており、国の投資によって1980年代から様々な情報化プロジェクトを実施してきた。代表的なプロジェクトを挙げると以下のようになる。 国家教育管理情報システム整備事業 全国の教育に関する情報を一括管理する情報システムの整備 中国教育科学技術計算
新华社北京2月28日电 国家中长期教育改革和发展规划纲要 (2010-2020年) (公开征求意见稿) 规划纲要工作小组办公室 2010年2月23日 目 录 序言 第一部分 总体战略 第一章 指导思想和工作方针 (一)指导思想 (二)工作方针 第二章 战略目标和战略主题 (三)战略目标 (四)战略主题 第二部分 发展任务 第三章 学前教育 (五)基本普及学前教育 (六)明确政府职责 (七)重点发展农村学前教育 第四章 义务教育 (八)巩固提高九年义务教育水平 (九)推进义务教育均衡发展 (十)减轻中小学生课业负担 第五章 高中阶段教育 (十一)加快普及高中阶段教育 (十二)全面提高普通高中学生综合素质 (十三)推动普通高中多样化发展 第六章 职业教育 (十四)大力发展职业教育 (十五)调动行业企业的积极性 (十六)加快发展面向农村的职业教育 (十七)
畢家駒(Bi Jiaju):同済大学教授、校務教務委員会委員 1933年9月生まれ。1956年、同済大学土木工学専攻科卒業(1952~56)。1961年、清華大学工学力学研究クラス(1959~61)。同済大学学部主任、教務処長、副教務長、大学院常務副院長を歴任。アメリカ・ノースカロライナ州立大学訪問、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学客員教授、高等教育品質保証機関国際ネットワーク(INQAAHE)理事(1998~99)、香港学術評議局(HKCAA)正規評議員(1993~2004)などを兼任。現在、同済大学工学力学教授、校務教務委員会委員。全国工学教育専門認定監督・仲裁委員会委員、中国高等教育学会教育評価分会名誉理事などを兼任。近海力学の教育・研究業務、高等教育研究業務に従事。国際・比較高等教育、教育品質評価・保証などの方面で広範な実地視察と特別研究。国際工学専門認定、エンジニア資格
李立国(Li Liguo):中国人民大学高等教育研究室副主任、 中国人民大学公共管理学院教育研究所准教授 1970年10月生まれ。北京師範大学教育学学士、修士、博士。主な研究分野は高等教育の理論と歴史。「清華大学教育研究」、「中国高等教育」、「高等教育研究」等の学術定期刊行物に30編余りの論文を発表、共著に「西洋教育思想史」、「外国教育思想通史」(第2巻)、「大学戦略管理序説」、「大学協会組織研究」等がある。国家社会科学基金(教育類)、国家自然科学基金、教育部人文社会科学基金、北京市教育科学計画等多くの研究課題を引き受け、その責任者である。 現在、中国は国家実験室、国家重点実験室、教育部人文社会科学重点研究基地等から成る研究実験基地体系を既に一応作り上げ、基礎研究の主要な学問分野と国民経済・社会発展の重点分野を基本的にカバーしている。これらの基地は中国の自然科学と人文社会科学の発展をサポー
劉宝存: 1964年生まれ。2002年、北京師範大学国際及び比較教育研究院比較教育専攻を卒業、教育学博士の学位を授与される。現在、北京師範大学国際及び比較教育研究院院長、教育部人文社会科学重点研究基地北京師範大学比較教育センター主任、教授、博士課程指導教官。2007年、教育部新世紀優秀人材支援計画に選出される。 現代世界において、知識は総合的な国力及び国際競争力を高める上でよりいっそう決定的な要素となっており、人材資源は経済社会の発展を促進する上で、より戦略的な資源となっている。高等教育は何千万人もの高い資質を備えた専門的な人材及びハイレベル・創造的な人材を養成し、科学技術の革新を図り、社会的なサービスを展開する重要な使命を担っており、経済社会の発展を促進し、自主的な創造能力を高め、社会主義現代化建設を推進する上で基礎的、先導的及び戦略的な役割を備えている。近年、中国の高等教育事業の発展は
張彦通(Zhang YanTong):北京航空宇宙大学校長補佐兼人文社会科学学院および公共管理学院院長 1963年生まれ、博士、博士課程指導教授。長きにわたって高等教育の経営および管理、高等教育政策研究、教育の品質評価および認証、高等工程教育などの領域の学術研究と教育および人材育成活動に携わる。前後して世界銀行借款援助プロジェクトや国家自然科学基金、国家社会科学基金、国家教育科学計画、航空科学基金および国家教育部、北京市人民政府、中国工程院、国防科学技術工業委員会などの重要部門の40以上の重点科学研究プロジェクトの責任者・担当者となる。そのうち国家レベルの教育科学研究奨励を得たプロジェクトは3件、省部レベルの奨励は5件であり、全国的な各級学術論文賞は5件受賞した。『教育研究』、『高等教育研究』、『外国教育研究』、『比較教育研究』、『中国管理科学』、『高等工程教育研究』などの刊行物において9
李越:清華大学教育研究院副院長 1962年8月生まれ。安徽省巣湖出身。 清華大学教育研究院副院長兼教授。研究分野は高等教育管理。 「985工程」は、複数の世界一流の大学や国際的に知名度の高い一群のハイレベル研究型大学を育成するために中国政府が展開しているプロジェクトである。1999年、国務院は教育部に対して『21世紀に向けた教育振興行動計画』の推進を指示し、北京大学や清華大学といった特定の大学を世界一流の大学またはハイレベル大学として育成するため重点的に支援することを決定した。このプロジェクトを略して「985工程」という。2004年、国務院は教育部に対して『2003-2007年教育振興行動計画』を通達した。これにより「985工程」は継続され、複数の世界一流の大学や国際的に知名度の高い一群のハイレベル研究型大学の育成に力が注がれることになった。これが「985工程」第二期プロジェクトである。
1.中国の高等教育はすでにエリート教育から大衆化の段階に達した 中国の高等教育の大衆化は復活再建からはじめた。1977年末に長年中断されてきた大学入試制度を復活させた。当時全国の一般大学に在籍する学生数は計62.53万人であり、グロス入学率は1%に過ぎなかった。2007年、大学の在籍者がすでに2700万人を超え、グロス入学率は23%に達した。30年間、特にここ10年間の努力により、中国の高等教育はすでにエリート段階から大衆化に達している。高等教育大衆化の実現は中国にとって重要な意味を持っている。主に次の点に示されている。 (1)大学数は世界第一位であり、教育の強国とは言えないが、名実共に高等教育大国となっている。(2)中国が人口大国から人材資源大国に変化し、経済の持続的な発展を促進するため、知識力及び人材を提供している。(3)大衆化は高等教育の分布の変化をもたらした。アメリカの学者マーチン
馬陸亭(Ma Lu Ting):中華人民共和国教育部(国家)教育発展研究中心高等教育研究室主任、研究員 1963年8月生まれ。1999年、北京航空航天大学経営科学専攻、工学博士取得。かつては体制改革研究室副主任。現在、北京航空航天大学の兼職教授及び博士学生の指導教官、北京師範大学及び中国政法大学の兼職教授、中国工程院-北航工程教育研究中心の研究員、北京价値工程学会理事。中国における重大教育政策問題の調査研究及び文書作成業務に度々参加し、これらをサポートし、中国全土の教育科学計画の重点的課題を担当。専門書2冊、共同著書5冊、中国内外で200余りの研究論文を発表。主な代表作に『我国高等学校的分層与管理』(わが国における大学の分層と管理)、『Cultivating Competency in Engineering Students』(工科生の育成能力)、『高等教育資源優価配置的理論依拠及模式選
劉念才(Liu Niancai):上海交通大学高等教育研究院院長、 教育部戦略研究基地「世界一流大学研究センター」主任、 教授、博士課程指導教官 1965年1月生まれ。1987.9~1992.10、カナダ・クィーンズ大学高分子材料専攻学科で学び、修士・博士学位を取得し、さらにポスドク研究に従事。1999年に高等教育研究分野転向。以来、主に世界一流大学、大学評価・ランキング、科学技術定量評価、大学戦略計画等方面の研究業務に従事。国家自然科学基金、国家社会科学基金(教育学科)、教育部人文社会科学基金、教育部科学技術委員会重大戦略特別プロジェクト、国際協力など10余りのテーマを担当している。中国語・英語の著作を多数出版し、有名な英語学術刊行物に多数の論文を発表。完成を指導し、ネット上に発表した「Academic Ranking of World Universities」は、国際社会から広く認め
1.背景 改革開放以降、中国の教育事業は著しい成果を収めてきたが、総合的に評価して高等教育の推進は依然として低水準であり、加速する改革開放や近代化に対応できていない。高等教育の発展を阻害している主な原因として、深刻な経費不足に伴う教師への低待遇や劣悪な学校運営条件を挙げることができる。このような状況下において地域、学科、大学に応じた目標を設定し、少数の大学に的を絞った重点的な育成を行う必要がある。1993年に公表された『中国教育改革発展要綱』では、世界的な新技術革命に関連した挑戦に立ち向かうため、中央や地方などにおける各方面の力を結集し、約100カ所の重点大学および一群の重要学科または専攻分野を組織するとうたわれている。また21世紀初めまでに一群の大学、学科、専攻分野が教育の質、科学研究、管理などの面で世界的に高い水準に達するように努めると提起されている。こうして「211工程」がスタートし
大学の実力と競争力は多くの方面に具体的に表れる。人材育成、科学研究、社会サービスなど、いくつかの方面の産出によっても測ることができるし、優秀な学生や傑出した学者を引き付ける、運営経費を調達するといった面での大学の能力と競争力によっても測れるし、また大学制度の完全さ、運営効率の高低によっても測ることができる。研究の目的が異なれば、選び取る視点も違ってくるであろう。本論文は国際比較という目的に基づき、国際的に比較可能な客観的データの取得可能性をもとに、中国の大学全体の実力と国際競争力、中国の研究型大学群の実力と国際競争力、中国の一流大学の実力と国際競争力の事例という三つの観点から、それぞれ異なる国際比較対象を選び出し、定量比較研究を行ったものである。 1. 研究方法 1.1 サンプル選択 中国の大学全体の実力と国際競争力の研究を行うにあたり、我々は「先進7か国」(日本、アメリカ、イギリス、ドイ
張暁鵬(Zhang Xiaopeng): 復旦大学企業教育研究センター主任 1961年5月生まれ。1990年から中国比較教育学会理事。1996年から復旦大学日本研究センター研究員を兼務。2002~2003年、東洋大学の交換研究員。2007年、九三学社上海市委員会委員兼文教委員会副主任、上海市教育評価協会大学委員会秘書長に選任。2008年、教育部大学本科教育評価専門家として招聘。編著及び訳書は「教育と社会の発展」、「中米日3国の高等教育比較研究」、「研究型大学の課程改革と教育革新」、「高等教育の経済分析と政策」等多数。国内外の定期刊行物に中国語、英語、日本語で教育、経済等の分野に関する論文及び訳文200編余りを発表。1997年以降、国家哲学社会科学・教育科学計画の重点課題「総合国力と教育の発展との関係についての研究」の責任者。また、中国の「大学本科の教育の質と教育改革プログラム」における「大
張東海(ZHANG Dong Hai): 中国華東師範大学高等教育研究所 講師 男性、1978年8月生まれ。2005年、中国北京師範大学国際・比較教育研究所を卒業、教育学博士学位取得。2005年~2007年、華東師範大学高等教育研究所博士研究員。主な研究分野は学術制度史、科学技術政策・科学技術管理、高等教育国際比較。 要旨 中国の重点大学建設政策は新中国成立の初期からすでに始まっていたが、歴史的に見て、この政策は三つの段階に分けることができる。その政策目標も、「手本となる」大学の建設から「世界一流の大学の創設」へと変化してきた。重点大学の選択においては、政治的考慮とエリート主義が同時に並存し、重点大学政策のプロセスは政治プロセスと専門家の意見によるものであり、大学の持っている社会資源が、その大学が重点大学になれるかどうかをより大きく左右していた。この政策には問題もあるが、発展途上国として、
張学敏:西南大学教育学院 教授 1961生まれ。教育学博士。西南大学教育学院教授、博士課程教員、中国教育学会教育経済学分会常務理事。教育部の人文社会科学重点研究拠点である西南民族教育・心理研究センター副主任、西南大学師範教育管理事務所副主任。主に教育学原理、教育経済・管理、教師教育、西南民族文化や教育に関する研究および教育活動に従事。「高等教育研究」、「中国教育学刊」、「教育と経済」、「教科・教材・教育方法」などの出版物において70を超える学術論文を掲載。「授業における教育技術」、「教育経済学」、「貧困と義務―貧困地区における義務教育経費の投入に関する研究」、「公共経済学」など10冊を超える著書や教材を刊行。教育部による「第9次五カ年計画」、「第10次五カ年計画」、「第11次五カ年計画」の社会科学プロジェクト、全国教育科学における「第10次五カ年計画」、「第11次五カ年計画」の企画プロジェ
トップ > 科学技術トピック> 第39号:中国の高等教育改革の現状および動向 > 中国の高等教育管理体制改革~道筋、措置と成果 龔放(Gong Fang):南京大学教育科学研究院教授、 博士課程院生指導教官、高等教育研究所所長 1949年2月、江蘇省江陰市生まれ。主な研究分野:高等教育学理論、高等教育政策、大学管理等。著書「高等教育学新論」(胡建華らとの共著)(編者)、「大学教育の転換と変革」等。「大学の国際化-高等教育の発展動向」、「大学資質教育試論」「高等教育多様化のプロセスとその質の再構築」等の学術論文を発表。 黄成亮:南京大学教育科学・管理学科高等教育学専攻博士課程院生 今日の世界において、中国のように他国の教育制度とモデルを多くの面で手本としてきた国は恐らく1つもないのではないか。1904年1月に公布された「癸卯学制」即ち「奏定学堂章程」は、日本の明治維新後に作られた教育制度を手
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く