現在、聴覚障がい者の方のコミュニケーション手段は、主に筆談です。独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT)では、音声認識技術や音声合成技術の研究成果を活かし、健聴者と聴覚障がい者との間のコミュニケーションを円滑にするためのアプリ「こえとら」を提供しています。開発者のNICTユニバーサルコミュニケーション研究所、葦苅豊さんにお話をうかがいました。 NICT ユニバーサルコミュニケーション研究所 葦苅 豊さん
全国の大学などの高等教育機関で学ぶ聴覚障害学生は1609人(平成25年度、独立行政法人 日本学生支援機構調べ)に上ります。教科書があり、決まった内容に沿って行われる小・中学校などの授業と異なり、内容も方法も教員それぞれの考え方で行われる大学などの講義は、耳が聞こえない、あるいは聞こえにくい学生にとっては大きなハンディキャップです。平成28年4月から施行される「障害者差別解消法」では、障害のある学生に対して必要なサポートする「合理的配慮」が、国公立大学では義務付けられ、私立大学でも努力義務となります。先駆的に聴覚障害学生のサポートを続けてきた日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)の活動や、その中で一つの柱になっている「遠隔情報保障」について、事務局長である白澤麻弓筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター准教授と、遠隔情報保障システムの開発に取り組んでいる三好茂
2011年、モバイルソリューション提供会社にてチームメンバーだった4人が立ち上げた、Webソリューションのベンチャー企業「株式会社パンタグラフ」。Webを使ったプロモーションから企画・コンサル・サポート、アプリ開発を中心に成長している。そんな中、創業の理念にある「Webで世の中を前進させる」をテーマに、視覚障害者の強い味方になる新しいサービス「ガイドグラス」を発表した。今回はまだ開発途上にあるこの新サービスについてお話を伺いました。 株式会社パンタグラフ 次世代戦略室 吉田靖規室長
(1) 一目でトップページの全体像を判断することができないので、まずは自分の目的とするサイトかどうか、どのような内容・機能のサイトかを把握する。 初めて訪れるサイトでは、トップページをひととおり読み上げ、ページの内容や、サイトの機能(サイト内検索ができるか等)、サイト全体の構造を把握する。この際以下のような問題が発生する。 フレームに対応していない音声読み上げソフトでは、フレームのページを別々にしか読めないため、構造が理解しにくい上、操作が困難となる。 広告などが自動的に別の子ウィンドウで表示されると、操作できるアクティブなページが子ウィンドウに移ってしまい、操作が困難となる。 各フレームにタイトル名が入っていないため、フレームの内容がわからず、どのフレームに飛べばよいのかわからない トップページのメニューリンク数があまりに多いと、全体像を把握するのに膨大な時間を要する。 1ページ内の情報
3 サピエ図書館を活用した点字ディスプレイ利用 現在、社会福祉法人日本点字図書館(http://www.nittento.or.jp/)のサービスで電子化された点字図書を無料でダウンロードできるサピエ図書館(https://library.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1MN1?S00101=S00MNU01)というサービスがあります。 このサピエ図書館からダウンロードした点字図書のデータを「ブレイルメモスマート16」で表示できます。その中にはDAISY(デイジー)の規格によるものも含まれていて、音声だけで再生して聴くことも、音声なしで点字だけで読むことも出来ます。 「ブレイルメモスマート16」の大きな特徴は、持ち運びが容易なことです。入力機能を用いて、点字でその場でメモを取ったり、カレンダー機能で予定を書き込んだり読んだりすることができますが、出力機能を用いて、こうした点字
ケージーエス株式会社では、高精度のソレノイドを製造する技術を活かし、視覚障がい者の点字でのコミュニケーションをサポートする点字ディスプレイを開発、販売しています。その他にも点字プリンターをはじめ、視覚障がい者向けの福祉機器を多く取り扱っています。担当者の籠宮純さんにお話を伺いました。 ケージーエス株式会社の籠宮純さん
はじめに 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、身体障害者を含む全ての人が情報通信を円滑に利用できる「情報バリアフリー環境」の実現を目指し、身体障害者向け通信・放送サービスを提供する事業に対する助成や関連情報の提供などを行っています。本サイトが身体障害者や高齢者、支援事業者及び関連機器・サービスの開発・提供に携わる事業者の皆さまに活用されることを期待しております。 情報バリアフリーについての詳しい解説はこちら お知らせ New! ■令和6年度の各種助成金の公募は終了しました ■「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」の改定について 総務省は、字幕放送、解説放送及び手話放送の普及促進を定める行政指針「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」を改定しました。 →詳しくは総務省の報道資料をご覧ください。 https://www.soumu.go.jp/menu_n
スマートフォンの需要が高まる昨今、タッチパネル上で、点字の「点」に対応する位置を一筆書きでなぞって文字を入力することができる「IPPITSU」(一筆)や、スマートフォンの基本操作であるタップ、フリックなどを用いて点字の形のイメージで点字を打ち込むことで、文字入力が可能となる「スマート点字」などのAndroidアプリに注目が集まっています。 点字は、6点よりなる文字であると同時に、6bitの情報交換用符号でもあることが、その文字としての本質です。この究極的に単純な文字であることにより、点字が単に障害者用の文字であるということでなく、健常者の新たな文字入力や文字表示の手段になる可能性があります。 この「IPPITSU」「IPPITSU 8/2R」「スマート点字」の開発を手掛けた、自身が視覚障がい者で60年以上点字を用いながら点字の研究を続けてきた77歳の長谷川貞夫さんに話を伺いました。なお、長
2. 「ヘレンケラーホン」から「IPPITSU」へ 「ヘレンケラーホン」とは、筑波技術大学の佐々木信之氏と群馬工業高等専門学校の大墳聡氏との共同研究により開発したものです。電話回線を介して送られてきた信号を振動の体表点字にする装置を「ポケットビーブル」と言います。 まずは情報を伝える側が、携帯電話の数字ボタンを点字の6個の点に見立て、点字を入力します。入力された1文字=6点の点字は、「上段」「中段」「下段」の3段階に分けられ、受け手側の「ポケットビーブル」という補助器具のふたつの振動子が順に3回振動します。振動には「左のみに点がある(左のみ震える)」「右のみに点がある(右のみ震える)」「左右両方に点がある(両方震える)」「どちらにもない(トンと短く震える)」という4種類の振動パターンがあり、その振動を識別することで、点字を読むことができるという仕組みです。 前述のように、全身の体表で読むこ
障害者のインターネット利用率については、複数の調査結果がある。それぞれに調査方法も異なるため、相互の数字を単に比較することは難しい。 しかし、年々障害者のインターネット利用率は高まりつつあるものと想定される。 1. 総務省 情報通信政策研究所 調査研究[結果概要](平成24年)より この調査は東京都に居住する、16歳以上69歳以下の心身障がい者を対象に、インターネットに関する利用の動向や意向に関して行われた。調査の内容及び手法の検討にあたっては、「障がいのある方々のインターネット等の利用に関する調査報告書(総務省情報通信政策研究所H15.6)」の障がい者アンケート調査が適宜参照されている。調査は平成24年1月~3月に実施、有効回答数は812件。 この調査によると、障がいのある人のインターネットの利用率は53.0%で、半数以上がインターネットを利用している。 <障がいのある方々のインターネッ
1. 開発の経緯 「インタラクティブ触覚ディスプレイ」とは、データ放送の画面を指でタッチすることで直接操作し、情報を音声と触覚で出力することができる、新しいタイプのディスプレイです。 現在NHKのデータ放送では、気象や株価・円相場など、生活に役立つ様々な情報を提供していますが、視覚に障害のある方にとっては音声化されていないという、アクセシビリティ上の課題がありました。一方で文字情報を音声化することはできても、項目のレイアウトや、グラフや図表、地図などのビジュアル情報を音声で伝えるのは、非常に難しいことなのです。そのような状況をふまえ、従来の画面を触りながら操作できるもの、触れることで頭の中でイメージをつかみ、理解できるようなものが作れないだろうか、と考えたのが、このディスプレイの開発のきっかけです。 2002年頃から当研究所内で開発を開始し、2005年から約2年間は東京大学と共同で、NIC
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