きょうは「あの日」から69年目の8月15日である。あの日をリアルタイムで記憶している人も少なくなったが、あの日をめぐる論争はやまない。今年は朝日新聞が新たな「燃料」を提供して、また火の勢いが強くなった。どこの国でも敗戦体験は複雑なのだろうが、日本のそれはとりわけ屈折している。 その最大の原因は天皇である。独裁者ヒトラーがヨーロッパを征服するという明確な目的をもって始めた戦争とは違い、日本の戦争は何のために始めたのか、いまだにわからない。その責任者とされる昭和天皇は、最後まで開戦に反対していた。だとすれば「天皇陛下万歳」と叫んで死んでいった兵士は、いったい誰のために死んだのだろうか。本書は、その謎を解く鍵を靖国神社に求める。 靖国神社は「日本国のために心ならずも戦場で散った人たちを追悼する施設」ではない。あくまでも「天皇のためにみずから進んで死んでいった戦士を顕彰する施設」なのである。ここで
