城崎の温泉街から兵庫県道9号線を西進し、兵庫県豊岡市竹野町須谷にある臨済宗南禅寺派の寺院、萬年山円通寺を訪れた。 円通寺下馬門 この寺は、康応元年(1389年)に月庵禅師が開山した。山名宗全の祖父・山名時義と、父・山名時煕が伽藍の整備に携わった。 月庵禅師は、兵庫県朝来市の大明寺や大同寺を建立した禅僧で、山名氏との関係が深い人物である。 円通寺下馬門の右側に、月庵禅師真筆の下馬石がある。 月庵禅師真筆の下馬石 下馬石の説明文を刻んだ石 この下馬石は、開創の時から長年月を経て土中に埋まったが、先代の住職が掘り出して境内に移した。近年の下馬門の整備に合わせ、元々あった下馬門脇に移設されたそうだ。 円通寺は、山名時煕の保護下で栄えたが、天正年間の羽柴秀吉、秀長の但馬攻めで衰退した。 参道 寛永二十一年(1644年)、出石出身の沢庵和尚が円通寺を訪れ、出石藩の支援により仏殿が作られた。 元禄十五年